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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第104話:男より女の方が強いと思う。特に精神面が……
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布は物ですから、好き嫌いは無いですよぉ」
間違ってない。サビーネは正確に言葉を汲み取っている。
発言者の感情をワザと無視してる辺りは、キャバ嬢として将来が楽しみだ。

「あ、あのね……そういう事じゃなくてさ」
質問し間違えた事に動揺してるレクルトは、ピエッサさんをチラチラ見ながらリカバリーの方法を模索している。その狼狽ぶりに笑いそうになるね。

「……………はぁ、もういいです!」
無表情・無言を貫いていたピエッサさんが、レクルトとサビーネの関係を完璧に理解し、大きな溜息と共に立ち上がると、疲れた声でこの茶番の終わりを宣言する。

そして出口へと歩いて向かいながら振り向きもせずに、
「レクルト閣下……もう一発殴りますので、今夜私の部屋へ集合するように」
と何時ものクールな声で言い放つ。

そして最後まで振り向くこと無く、
「では失礼させて戴きます」
と吐き捨てるように言い、部屋から出て行った。

「良かったなレクルト。彼女の誤解が解けたみたいだぞ」
「え、本当に!? だ、だって『もう一発殴る』って言ったけど……」
鈍い男だな。

「言ったけど『今夜私の部屋へ集合』とも言っただろ。あれは浮気を疑ったけど間違いだったと認めて、遂にヤらせて貰えるって事だよ」
「えぇ! それ本当!? でも何で殴るって言ったの?」

「そりゃ殴るからだろ」
「いや、だって誤解は解けたんじゃないの?」
ピエッサさんの言った事を理解してるユニさんやサビーネ……そして一部の部下等から呆れ顔で見詰められる大将閣下。

「お前はヘタレすぎて、自分の彼女と真っ向から向き合えなかったから、その事について殴る意思を示したんだ。自ら誤解を解く行動を起こせず、ワザワザこんな大勢の居る中で恥ずかしい三角関係を披露したんだから、殴られるくらいは我慢するべきだろう」

「そ、そんなぁ……この状況を作ろうとしたのは僕の意思じゃ無いのに!」
「俺の意思でも無い。従って俺に文句を言うな」
涙で湿った視線がユニさんに突き刺さる。

申し訳なさ過ぎて顔を上げられず、仕事に逃げる俺の有能なる秘書殿。
他人(ひと)の色恋事に面白半分で首を突っ込んだ、俺の有能なる部下共も顔を上げることが出来ずに仕事に没頭してるフリをしてる。

「あ〜ぁ……良い上客(カモ)を逃しちゃったわぁ」
流石にもう店を贔屓にして貰えないことが解るサビーネは、本音を露わに嘆き出す。
「カモ? え、カモって僕の事!?」
他に誰が居る?

「さぁ? グランバニア軍の総参謀長であるレクルト大将閣下を、カモなんて表現する輩が居るとは思えないから、俺には解らないですよ」
大袈裟に肩を竦め、殊更役職を強調して恍けてやった。

そんな俺を半ベソで眺め、次いでサビーネにも視線を
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