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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第104話:男より女の方が強いと思う。特に精神面が……
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ておりました。こちらの席へどうぞおかけください」
瞳の輝きが衰えないユニさんが、先程用意した椅子に彼女を(いざな)うと、その直後にサビーネも入室してきた。

サビーネはピエッサさんと違い、俺の顔を見るなり大きく顔を歪ませ、不快感を露わにしてくる。
だけどレクルトとピエッサさんが既に居る事には何も感想は無さそうだ。
因みにピエッサさんは、先刻(さっき)眉を顰めて以来、ピクリとも表情を動かさない。

「……………」
「……………」
「……………あの、何の用?」

この状況を望んでいない俺は、進んで発言をしないで居た。
心内を読ませたくないピエッサさんは、レクルトを見る事なく黙って座っていた。
胆力の低いサビーネだけが、堪える事出来ずに口を開く。

「さぁ……俺に用は無い」
「……………」
「じゃぁ何で呼んだのよ!?」

俺は俺の感情に忠実な返答をした。
ピエッサさんはチラリとレクルトを見て、用件を理解したかのように目を瞑った。
相変わらず胆力の低いサビーネだけが、イラつきながら状況が進む事を要求する。

「……………」
「……………」
「……………」

巻き込まれたくない俺は、ひたすら沈黙を好む。
用件が理解出来ちゃってるピエッサさんは、俺かレクルトが本題に入る事を沈黙で促す。
流石に解ってきたサビーネは、本気で気まずそうに黙り込んでしまう。

暫く居たたまれない沈黙が続いた。
だから俺はワザと書類の決裁を再開する。
もう俺は無関係だとアピールする為に。

「ウ、ウルフ君……助けてよぉ」
仕事を再開した俺を伏せ目がちに見ながら、凄い小声で助けを求めるヘタレ大将閣下。
だが無視する。俺は黙々と仕事を続けるのみ!

部屋一杯に気まずさが充満し、面白半分で3人を集めた事を後悔し始めてる我が部下共。
怒ったビアンカさんが襲来した時以来の重圧に、胃の辺りを押さえる者も出てきた。
ザマーミロ! 俺が拒絶してるのに、勝手に推し進めるからだ。

「あ、あのねエウカリスさん。貴女はレクルト閣下の事が好きなのかしら?」
自ら招いた思い空気を払拭させるべく、ユニさんが果敢に質問を開始する。
よく頑張ったとは言いたいが、もっと凄いのは微塵も反応しないピエッサさんだ。

「あ〜……そ、そうですねぇ……好き……うん。好きですね!」
効き方が緩いんだよねぇ……
この場合、『好き』か『嫌い』かじゃなく、『愛してる』か『愛してない』かだよね。

「え〜っと……そういう事じゃなくて……何て言うのかしらねぇ……」
「サビーネちゃんは僕の財布が好きなんだよね!?」
中途半端な質問をしたことにユニさんが後悔してると、意を決したレクルトが核心に迫ると思った事を発言する。だが甘いな。

「財
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