第六章 Perfect Breaker
解決日和
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男の身体は二メートルを超えている。
扉は完全に男の身体でふさがれており、廊下が一切見えない。
塗り壁、という妖怪がいるが、それがきちんとした(?)人間の体を持ったらこういう感じなのだろう。
その大きさに、全員が絶望する。
最初こそ「自分が犠牲になってでも・・・」と思っていた者も、この光景に動けなくなる。
目の前の圧倒的な暴力に、身動きが取れなくなる。
ガチガチと奥歯が鳴り、全身が震えだす。
「ぶっ壊れるまで遊んでやるよ・・・・楽しみでしょうがないぜェ!!」
叫ぶ男
しかし、男の後ろからは何か音が聞こえてくる。
それはひしゃげる音であり、吹っ飛ぶ音であり、何かの悲鳴でもあった。
自分の興奮した声で気づかなかいのか、男はまだ叫ぶ。
「最初は誰がいいかねぇ・・・・い〜い悲鳴を聞かせてくれよぉ!!がはははははははァ!!!」
「そうか」
「んあ?」
ようやく気付く。
男は、背後から下声にゆっくりと振り返った。
そこには、自分よりも小さな男が一人。
「なんだ?お前」
「敵」
「は?・・・・!?」
そこで、ようやく男は気付いた。
廊下が惨状と化している。
破壊された兵器。
ブチのめされている仲間。
その光景に、男の額に青筋が立った。
「お ま え・・・・」
「へぇ、仲間を傷つけられてキレるくらいの精神はあるのか」
「許さん!!」
ゴォッ!!
「オッ!?」
男は叫び、相手の肩を両腕でつかみかかった。
この身長と体格の差だ。
相手の両肩に手を当てて、思い切り押しつぶせばそのままひしゃげてしまうであろう構図。
しかし、そうして掴みかかった男ではあるものの
「な・・・・」
「・・・・どうした、力自慢」
(う、動かねぇ!!なんだこいつ・・・・俺よりもちっちぇえ癖に、まるで地面に突き刺さった鉄骨を押してるみてぇにびくともしねぇ!!)
相手の男は動かない。
そのかわりのように、口が動いた。
「あんた、悲鳴が好きなんだって?」
「あ?」
「そんなに好きなら、自分のでも聴いていろ」
「は?あぉっ!?」
その言葉に一瞬疑問符を浮かべ、男は直後、投げ飛ばされた。
相手の男が、自分の腕を下から掴んできたのだ。
肩を掴まれているこの状況で、そんなことをしてくること自体考えもしなかったことだが、そのまま扉の方へと投げ出される。
相手はその腕を掴んでブリッジのように身体を反り返し、壁を砕いて部屋の出入り口をさらに大きくしてこの巨漢を投げ飛ばしたのだ。
「ぐブゥ!!!」
その一撃に、巨漢が悲鳴を
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