第六章 Perfect Breaker
解決日和
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ついた血糊を拭い、べちゃっ、と地面に払う。
「遅れて申し訳・・・・ございません・・・・「EARTH」局長付使役獣・・・・青龍です」
「え・・・?「EARTH」?」
「って、あの!?」
「てめぇ・・・・何様だァ!!!」
「?」
ようやく男も身体に力が入り始めたのか、怒声を上げて青龍を指さす。
それに対し、青龍は堂々と言い放った。
「あなたの・・・・敵だ!!!!」
ステージ上で面と向かい合う二人。
映画か何かのワンシーンのようだが、首領の男はニヤニヤと笑っている。
「おいおい、あの観客たちは良いのか?」
「それが・・・・なにか」
「こっちは命令一つで皆殺しできるんだぞ!!」
「それがそんなに・・・・楽しいですか?」
「はっ!!この口がちょいと動けば即座に全殺し!!命ですら俺は操作できる!!そんな愉快なことはないだろう!?」
「はぁ・・・・そうですか・・・・では、獅子」
「合点!!」
ドッ!!ごゴゴゴゴンッッ!!
「・・・へ?」
「あまりにもくだらない愉しみのようなので・・・・無力化・・・・させてもらいました」
男が見ると、周囲を囲んだ兵士たちはテレビカメラや照明などに、軒並み押しつぶされていた。
パンパン、と言う音がしたと思うと、伏せる観客の真ん中に男が立ち上がっていた。
言わずもがな、獅子である。
たとえ人型であっても、獣神体の力は使える。
彼はその鬣を伸ばし、足元を這わせてカメラや天井の照明に引っ掛けていたのだ。
そして、それを合図と共に引っ張ったのだ。
それらは一斉に飛び上がり、空中でぶつかり合って方向を調整されながら兵たちの元へとスッ飛んでいった、というわけだ。
それに加えて、それらの機材は出入り口をふさいでおり、外からの増援を防いでいた。
「お・・・まえらぁあああああ!!!」
「これ以上の抵抗は・・・・無駄です・・・・大人しく・・・・」
「するかよ!!!」
ガボン!!と、男が足元の大きなカバンを蹴った。
すると、それが一気に開いて中から一つの黒い塊が飛び出してくる。
「あれは・・・・」
「ろ、ロケット砲!?」
背後で驚く千早。
実際にはRPGとか呼ばれるものだが、この際そんなことはどうでもいい。
重要なのは
「てめぇらまとめて吹き飛ばしてやるぁ!!!」
この男の、その暴力の向く先である。
青龍が構える。
引き金が
ガチッ!!
引かれた。
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