第六章 Perfect Breaker
解決日和
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観客の中もざわめきだしている。
そもそも、楽しみにしていたライブをこんな形で台無しにされてしまっている彼等だ。
こんな話を聞かされては、いつ暴走してもおかしくはない。
そして
「ふざけんな・・・・!!」
「ん?」
ステージにあげられていたカメラマンが、キレた。
自分の扱っている仕事道具を奪われ、さらにこんなくだらないことに使われているのが、我慢ならなかったのだろう。
「あんたがやってんのは・・・・ただの犯罪だ!!何が世界を救うだ・・・・!!ただの・・・・ただの自己満足だろうが・・・・!!」
「ほう」
カメラマンが一気にまくし立てて叫ぶ。
怒りで我を忘れているのと、目の前の凶器が本物であるという実感がないために行うことのできる蛮行。
だが、行っていることは正しい。
その言動に、観客たちももっと言ってやれ、と視線で後押しする。
「ガキみたいなこといやがって・・・・お前さんが一体・・・・どれだけすごいか知らんがな・・・・なんだ?」
だが、男の言葉は止まる。
首領の男が、あまりにもつまらなそうな、悲しそうな顔をするからだ。
「はぁ・・・・悲しいなぁ?我々の崇高な目的を理解できない愚か者が、どうしてもやはりいてしまう」
「何が崇高だ・・・・何が・・・・」
男の文句。
そして
「だから、黙ってもらうのが一番だ」
そして、男が撃った。
ダンッ!!
「え・・・・あ?」
・・・・・ド、バタッ!!
「晒せ」
短く命令すると、数人の男が倒れた男の身体を抱えて、ステージの真ん中に引きずっていく。
そしてそれがカメラに収められ、メインモニターに映し出された。
「これが逆らった結果だ。我々がコケ脅しでないことはわかるはずだ。さらに」
銃口を、観客に向ける。
向けた先から、観客がウェーブして伏せて行った。
「これだけの人質がいることを忘れるな。我々の当面の目的は、まずこの国の明け渡しだ。連絡はこのホールにしてくれ給え」
それだけ言うと、部下たちがカメラマンの死体を放し、そこに放っておく。
ドシャ、と倒れ込んでそのままにされる。
「さて、この国の愚かな治世者たちよ。お前達もわからぬほど、愚かではないだろう?」
そう言って、いったんカメラが切られた。
すると数分後、部下が受話器を手にして男の元へとやってくる。
「早いじゃないか。我々の要求を呑めるかな?」
『そんなことは』
「あぁ、先に行っておくがこの会話はこの会場内にいる人間にも聞こえているぞ。下手な発言はよした方がいい・・・・で?「そんなことは」?」
『・・・・そんなことは簡単
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