抽選会
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各チームのキャプテンがくじを引くため、音ノ木坂からはもちろん穂乃果が前に出る。
「穂乃果!!しっかりね!!」
「転ばないでくださいよ!!」
「変なとこ引くんじゃないわよ!!」
仲間たちの熱い声援?を受けながらステージ上へと向かう穂乃果。そしていよいよ、運命の時はやって来た。
学校の名前が書かれた板を係りの人に手渡し、机の上に裏返して置かれているナンバープレートを取る。
(どこだ?)
廃校阻止のために絶対に負けるわけにはいかないこの大会。その最初の相手となるのは・・・
『音ノ木坂学院27番!!』
パチパチパチパチ
数字が言われた途端小さな歓声と共に巻き起こる拍手。それが何なのかわからないメンバーは呆気に取られていたが、にこを始めとした野球を知る者たちは険しい表情を浮かべ・・・
「チッ、舐めた真似しやがって」
剛は周りに聞こえないような声でその拍手への苛立ちを見せていた。
「えっと・・・何?今の拍手」
戻ってきた主将は意味がわからないまま来たらしく、頭を掻きながらそう問いかける。
「あれはお礼の拍手よ」
「お礼?」
「うん。見て、私たちが入ったところ」
言われるがままに自分たちの名前が書かれている場所を見る面々。それからにこと花陽が話し始める。
「まずにこたちが最初に当たる横濱高校。あそこはシードこそされてないけど昨年全国夏ベスト8にまで入っているわ」
「ニャッ!?」
「ベスト8ですか!?」
「うん。そして二回戦は第二シードの華崎徳春。その強豪2校の間が丁度空いてて、敗戦必須だからみんな先に花陽たちが入ってくれて感謝してたの」
初出場となれば当然実力が乏しいのはおおよそ予想ができる。そんなチームが強豪校の潰し合いに入ってくれるのなら、皆感謝せずにはいられない。
「この真姫ちゃんを舐めるなんて、許せないわね」
「えぇ。その態度、後悔させてあげるわ」
それを聞きスイッチが入った主砲二人。他の面々も気落ちすることなど一切ない。
「この組み合わせは俺たちに“運が向いてる”ってことかもしれないな」
気合いが入っていく選手たちに告げるように口を開く監督。その言葉を聞くために、全員が彼の方を向く。
「相手は初戦、ノーデータのうちと戦わなくてはならない。情報戦となる現代野球ではそれは致命傷になりかねない。
しかも次の華崎徳春は強豪を倒して勢いのついているうちを相手にしなければならない。先に強いとこを潰せるなんて、あとが楽になるな」
顔がいつもと違い完全に悪人になっているため思わず息を飲むが、彼も負けるつもりなど毛頭ないことに安心し、笑みを浮かべる。
「まずは横濱だ、名前負けだけは絶対するなよ」
「「「「「は
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