第四章
[8]前話
一緒にいた友人達は一緒に登校しつつだ、こう言った。
「もう今の時点でね」
「かなりカロリー使ってるわね」
「既にね」
「朝早く起きて修行して」
「お掃除もして」
「しかも残さずしっかり食べて」
「あまり寝てなくてね」
「ここから普通の学園生活なのよね」
あらためて言うのだった、学校に向かいながら。
「こりゃ健康的よ」
「好き嫌いなく何でも残さず食べてるしね」
「尚且つ身体も動かしてるから」
剣道の部活でだ。
「スタイルもよくなるわ」
「あのスタイルにもね」
「しかも陽奈ちゃんのお母さんとお祖母ちゃん見たら」
もてなしてくれた彼女達をだ。
「綺麗だしね」
「陽奈ちゃんってお母さんとお祖母ちゃんに似てるのね」
「スタイルもいいしね」
「お二人共」
「つまりあれね」
ここで一人が言った。
「陽奈ちゃんは遺伝で元々奇麗で」
「スタイルもいい」
「それをお寺の生活で日々磨かれている」
「そういうことなのね」
「いや、謎が解けたわね」
「どうしてスタイルがいいのか」
それがというのだ。
「今ここでね」
「はっきりわかったわ」
「そりゃスタイルもいい筈よ」
あのスタイルになるのも当然だというのだ。
「これはね」
「私達にはハード過ぎる生活だけれど」
「それでもね」
「あの生活をしていると」
「そうなるのも当然ね」
「だから普通だから」
陽奈だけはこう言う、ここでも困った顔で笑って。
「本当にね」
「いや、お寺では普通でも」
「私達にとっては普通じゃないから」
「それも凄くね」
「びっくりする位だったから」
「スタイルがいい理由はわかったけれど」
「そうした理由ってことね」
こう話すのだった、そしてだった。
友人達は陽奈のスタイルの理由をはっきりとわかった、そのスタイルのよさにはそれなりの理由があるということだ。それは陽奈にとっては普通でも彼女達にとっては全く普通でない、そうしたものだった。
プロポーションの秘密 完
2017・8・28
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