アインクラッド編
第十話 二層の終わり
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(間に合うか……ッ!いや、間に合わせろ!)
キリトは全速力でアスナを射程外に出そうとした。
ブレスの発動前には間に合ったのだが、一人を連れて抜け出すのは簡単ではなかった。
バチィィィィィィッと背中にブレスが直撃し、キリトとアスナは吹き飛ぶ。
何度か地面を跳ねながら入り口近くまで飛ばされていた。
アスナはもちろんキリトもHPが危険域まで落ち、麻痺状態になっている。
ピッ、ピッと危険域を示す無機質な音が鳴り、ズシンズシンと【キング】の足音が響く。
いろんな想いの中アスナは聞いた。
「…どうしてきたの」
キリトも一言、
「わからない…」
会話はそこで終わった。
【キング】はもう一度ブレスのモーションに入っている。
「放せ!放すのだ!」
《ブレイブス》のメンバー達にガッチリ掴まれているオルランドは顔に焦りと恐れを浮かべていた。
「もう手遅れです!バカなことはやめてください!」
「馬鹿で何が悪い!戦友や姫君の盾となって斃れるのは騎士の本望…!
真の勇者であるならば!!いま征かんで何とする!!!」
悲痛な叫びがボス部屋に響く。
ボスはついにブレスを吐き出した。
その場の全員はまるでコマ撮りのように床に倒れた二人ブレスが近づいていくのを見た。
その部屋の誰もが助からないと確信した。
『その部屋』の誰もが。
刹那、大きな影がふたりの前に立ちはだかった。
バチィィィィィィィィィィィィと、ブレスが直撃した音がする。
「フンッ!」
ブレスの余韻がやむ間も無く大型の投げナイフが二本【キング】の顔に突き刺さっている。
突然現れた男から誰も目が離せなかった。
二人の避けようがない死を跳ね返し、何よりブレスを受け切って麻痺状態になっていないのである。
男はアスナキリトに向き直ると「二へッ」と薄ら笑いを見せた。
サイガである。
「悪い遅れた」
二人の口にポーションを押し込む。
「何時もならなんか言ってるけど今回は助かったよ」
「…その…ありがと…」
「…アスナに言われると…なんか変な感じだな」
「何によ!じゃあもう言わない!」
「あ〜ゴメンゴメン、いまのなし。それより回復しとけ」
サイガ達後ろでボスが再び別の攻撃モーションに入っていた。
「サイガ!後ろだ!」
焦るキリトと裏腹にサイガはのんびりしたままだった。
「…大丈夫だ。あとは、二人がうまくやる」
ガィィィィィン。
この世界ではかなり珍しい遠距離武器が綺麗にボスにあたり攻撃をキャンセルさせた。
ボスが体勢を崩した瞬間もう一つ影が現
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