アインクラッド編
第十話 二層の終わり
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こに来た。
(まずい…ッ、間に合わな…)
その刹那、栗色の髪をたなびかせ部屋には入ってくるプレイヤーが一人。
流れるような動作でボスの身体を駆け上ると、正確無比の《リニアー》でボスのブレスを強制キャンセルした。
「アスナ!!!」
SideOut
攻略組の危機を救ったアスナは、たった一人でボスの前に立っていた。
睨み合いの中、先に動いたのは《アステリオス・ザ・トーラスキング》。巨大な手をアスナに向けて全力で振りかぶる。
敏捷性に長けているアスナは難なくかわすが、俊敏型のパラメータ故に一撃でも喰らうとーーー
(HPバーが半分以上吹っ飛ぶ!そうしたら即行動不能!次の攻撃は避けられない…つまり一撃でもまともにもらえば)
終わりなのだ。床を撃ち抜かんとばかりに拳の雨がアスナに降り注ぐ。
持ち前の俊敏さでかわしてはいるがそう長くは保たないだろう。
その光景に一人の声が響くまでその場の全員が視線を奪われていた。
「よそ見をするな!」
その一人とはキリトのことだ。
「来るぞ!総員防御!!」
「ぐッ、だがブラッキー殿このままでは…!!」
「今!そんなこと言っている場合か!!」
そう、この場で一番アスナの事が心配なのは誰でもなくキリトだ。
アスナの作ったこの時間を無駄になどはできない。
しかし、このままでは確実にアスナは死んでしまう。
「……!」
加勢するか、このままか、その葛藤の中ボスと戦い続けている。
キリトは刹那アスナと目が合った。
(馬鹿!!ちゃんと前向きなさいッ!!)
アスナの脳裏に浮かんだのは今までキリトに助けられてきた場面だった。
(もう助けられたりしない、見返してやるって決めたんだから!!)
【キング】の殴打をバックステップでかわし、背後に回るとアスナは足を駆け上った。
(体術スキルだってあなたと同じ三日でとった。ボスの足止めくらい私一人でーーーーー)
衝撃が体を貫きアスナの自由を奪う。
どの角度からの攻撃も見える、はずだった。
アスナは下から跳ね上げられていたのだ。
(まさか…!尻尾……!?)
無防備な体勢、しかも空中。
【キング】の振り下ろされた拳がアスナを捉えた。
数十メートル吹き飛ばされ、体力ゲージは残り数ミリ、さらにスタンまで付いている。
回避もできず絶望的な状況。
無慈悲にも【キング】はブレスのモーションに入った。
その状況をキリトは視界の端で見えたしまったのだ。
「……ッ」
体が震える、思考が止まる。
気付いた時にはもう動いていた。
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