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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第102話:組織改革は意識改革と同時進行で
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総参謀長というのは、ピピン大臣の直属で有り、軍事行動の作戦立案をする、所謂ブレーン的立場だという……
その為、階級も大将閣下となり、状況によっては陸軍幕僚長や海軍幕僚長にも指示(命令ではなく)を出すことが出来るそうだ。

当然のことではあるが、周囲からの不安視される声も聞こえたらしい。なんせ彼は、兵士経験が皆無で、ずっと頭脳労働のみ(事務処理なども含む)を専門に行ってきた軍人さんだ。
物理的な意味でも大変非力で、各将軍等を従わせることが出来るのか不安になる。

だけど推薦者のウルフ閣下は、『軍での指揮官というのは、複数の状況の中から最良と思われる物を選び、それを実行する決断力を持った者が適してる。しかし参謀は、持ってる情報の中から複数の作戦案を素早く提示し、解りやすく司令官に伝えることが仕事なのだ。レクルト大将は、気が弱く優柔不断な性格ではあるが、頭の回転が速く物怖じせず嫌味の一つも言える性格なので、参謀の長には適してると私は推薦させて貰います』と言い切りました。

確かに……
気が弱いクセに、ウルフ閣下へは兎も角、リュリュ様のモンスター達にも嫌味を言えたり、如何すれば楽に仕事が捗るかを常に考え行動してる節もある。
戦えない軍人だが、確固たる地位を築き上げてたのも事実である。

そして陸軍・海軍幕僚長の人事だが、海軍幕僚長には以前シージャック事件で活躍した「グランバニア軍輸送船・ステラポラレ号」の船長だった、“ナーベルト・トランスポルト”殿が就任した。
就任の挨拶の為、城に見えた時はウルフ閣下に『閣下はトラブルに見舞われる体質のようなので、船旅はご遠慮下さい(笑)』と笑いながら言っていた凄く良い性格の軍人さんだ。

陸軍幕僚長には、何とピエールさんが就任したのだ。
彼女は以前、近衛騎士隊の隊長を務めており、出産を機に軍職から退き後身の育成の為に尽力してきた人だった。

この人事を決めたのは勿論リュカ様で、当のピエールさんも『他に候補者は居なかったのか!?』と辞退したい考えを臭わしていた。だが、あのリュカ様が簡単に辞退を認める訳もなく、『解ってよ……心から信頼出来る者にしか任せられない地位なんだ。僕にはピエールしか居ないんだよ』と耳元で囁かれ、ウットリとした表情で受諾したシーンを私は憶えて忘れそうにない。

それと以前と変わらず近衛騎士隊は、ラングストンさんを隊長に、これまた王家直属の部隊として存在している。
給料が少なくなって、ラングストンさんはさぞや嫌味を言いまくってるんだろうと思ったら、堂々と城内カフェでアルバイトをし始めて、リュカ様ですらを呆然とさせた。

ぺらっと紙が捲れる音に気付き、そちらに視線を向けると……
ウルフ閣下が新たな絵を描き始めていた。
今まで描いた無残な光景も、机の上に広げてある為
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