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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第102話:組織改革は意識改革と同時進行で
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は出来ないそうだ。局長のクロウ大将の下に6名ほどの部隊長が就任し、その下に各々隊員が配属されるらしい。だけどリュカ様とクロウ以外、グランバニア軍内部監査兼捜査局の人員は部隊長までしか知らされていないのだ。

何故かと言うと、軍内部を見張る組織の為、軍人として潜入捜査をすることがメインとなる。周囲の兵士に自分が内部調査をしてると気付かれれば、誰だって悪事を行わないし、内部調査官が居ないと判れば大手を振って不正を行うかもしれないからだ。

だが調査員が誰だか判らなければ、何時何処で見張られてるか判らなくなり、常に気を付けようと心を引き締めるだろうとリュカ様は言う。
しかも隊員は横の繋がりを持ってない。

つまり、6人の部隊長は自分の部下だけを把握しており、他の部隊長の部下については何一つ知らされてないようになっている。
リュカ様とクロウだけが、人員全てを把握し、そして入退部の許可を出す形になっている。

当の隊員達も、自分がグランバニア軍内部監査兼捜査局の者だとは、家族にも宣言することは出来ず、他の者達と同じ人事異動によって、各部隊へ配属され秘密任務を全うするのだ。
身内をスパイする軍人と言って良い。

なお、各部隊間で交流が無い理由は、不正を行っている部隊に配属された調査官が、目先の金品に目が眩み、上に虚偽の報告をして自らも不正な利益を得ないようにする措置である。
つまり、A隊長のAB隊員がX部隊に配属された場合、AB隊員がX部隊の連中と一緒に不正を行わないように、B隊長のBC隊員も密かに同じ部隊に配属させ、X部隊として捜査させる目的があるのだ。

隊員はどちらも身内だと気付いてないはずなので、万が一にも自分が見張られてて報告されたら拙いと思えば、何処の部隊に配属されても自らの責務を忘れて悪逆の限りを尽くすとは考えにくい。

勿論、各隊員は身分がバレないように、部隊内全員が犯してるような悪事には一緒に参加しなきゃならないが、隙を見て早急に上司へ報告をして、その部隊への厳しい罰を求めるのが責務になっている。

そうすることによって、互いに立場を知ってない隊員同士が、ほぼ同時に報告書を提出することで、悪事に飲み込まれてないことを確認するのだという。
リュカ様曰く、『絶対に軍人の不正は許さない。自国民を苦しめる為に、税金を与え力を与えたのでは無い。自らを犠牲にして自国民を守る気概のない奴は、我が軍には絶対に不必要だ!』と処刑直前に民衆(言葉の向き先は軍部)に向かって明言してた。

さて……ここで一つ、吃驚な人事異動が発表されました。
軍部の軍事作戦を立案することを主目的に“総参謀長”と言う役職が誕生しました。
そしてこの地位に、レクルト軍務大臣秘書官殿が出世をして就任。
推薦したのは我が上司、ウルフ宰相閣下だ。

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