第二章
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「お金が手に入るんならな」
「切実なんだな」
「俺としちゃな、本当に何かいい仕事ないか?」
「あるか?」
直希は腕を組んで考える顔で匠に問い返した。
「すぐにスーパーカー買えるだけの金が手に入るバイトなんて」
「維持費も含めてな」
「そんな仕事表にないだろ」
「裏か」
「そっちは止めておけよ」
直希はそちらの世界の仕事は勧めなかった。
「やばいからな」
「やっぱりそうだよな」
「ホストとかもな」
「儲かるっていうけれどな」
「売れればな、けれどな」
「何かとやばいか」
「ああした世界もな」
華やかではあるがだ。
「それでもな」
「何かとあるな」
「だから出来る限りな」
「ホストもか」
「しかも儲かるなんてトップだからな」
それぞれの店のだ、しかも人気店でなければならないということも言うまでもない。
「確実かっていうとな」
「そうじゃないな」
「だからな」
「他の仕事の方がいいか」
「確実に稼ぐのならな」
「そうだな」
匠は直希の言葉に頷いた、それで彼はホストになることは選択肢から消した。そのうえでじっくりと考えて直希に言った。
「一つあった」
「一つ?」
「ああ、今から行って来るな」
「行って来るって何処になんだ」
「確実に稼げる場所だよ、じゃあな」
こう言って席を立ってだ、匠は直希の前から姿を消した。直希はこの時何処に行くつもりかと思った。しかし。
明日にでも何処かで面接をやって後は採用の可否を聞くだけだと思っていた。しかしその明日もさらにr次の日もだった。
匠は直希の前から姿を現さなかった、しかもだ。
「あれっ、あいつ見ていないか」
「ああ、最近な」
「最近見てないぜ」
大学の者達は直希に匠のことを聞かれてもこう答えた。
「講義にもサークルにも出ないし」
「どっか行ったな」
「果たして何処に行ったんだ?」
「俺も知らないぜ」
「俺もだよ」
誰もがだった、そして。
バイト先だったコンビニにまで行って行方を聞いてもだ、店長は直希にこう言っただけだった。
「急に夢を掴みに行くから辞めるって言ってね」
「このお店に来てですか」
「そうそう、多分君と大学で話をしてからね」
「あの時にですか」
「もうそれからすぐにうちに来たみたいだよ」
この店にというのだ。
「それでなんだ」
「それからですか」
「夢って何だいって聞いても」
「それでもですか」
「それじゃあって挨拶をされてね」
そしてというのだ。
「以後はね」
「店長さんもですか」
「何処に行ったか」
首を傾げさせての返事だった。
「わからないんだ」
「そうですか」
「実家に聞けばわかるんじゃないかな」
店長は直希にこうも言った、そして直希は
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