第一章
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誤った選択
公孫賛は袁紹と激しい戦いを繰り広げていた、この戦いは長く続いていたが次第に袁紹が優勢となっていた。
公孫賛の勢力は幽州にあった、だが対する袁紹の勢力は冀州を軸として青州、并州に及びその勢力の違いが出て来ていて公孫賛は次第に追い詰められていっていたのだ。
袁紹はその幽州も次第に己の勢力圏に収めていっていた、その彼に軍師である田豊は確かな声で言った。
「冀州を完全に我が領地としてです」
「青洲、并州と手に入れていってだな」
「勢力を大きくしていったことがです」
「公孫賛に有利に立てている要因だな」
袁紹も己の座から応えた、二人は今は出陣しておらず冀州において話をしている。
「今も」
「そのまま戦ってもです」
「公孫賛も強いからな」
「あの騎兵隊は馬鹿に出来ません」
白馬を中心とした軍勢だ、公孫賛自身白馬に乗っている。
「ですからまず冀州を制していましたが」
「そこから青洲、并州と併呑していきな」
青洲にいた孔融や并州の賊達を退け倒してだ。
「そうしていきな」
「軍勢の数を揃えて攻めていきましたので」
「こうしてだな」
「公孫賛を追い詰めることが出来ています」
「やはり戦は数だな」
袁紹は腕を組み考えるかで田豊に述べた。
「騎馬隊に対してもな」
「烏丸達も味方につけましたし」
北の異民族だ、騎馬民族である。
「彼等の兵も使っています」
「そうしたことが重なってな」
「公孫賛に絶対の優位に立っています」
「それはいいことだ、だが」
「はい、公孫賛も考えたものです」
実にとだ、田豊の顔がここで変わった。そのうえで袁紹に話した。
「城を築きそこに篭りだしました」
「そうして機を伺っているな」
「河南の状況もあります」
黄河の南のというのだ。
「曹操や呂布、袁術めもおります」
「袁術は悪政が祟ってきておる様だがな」
「呂布も追い詰められてはいますが」
こちらは曹操にだ。
「うかうか出来ません」
「早いうちに公孫賛を何とかしたいものだ」
「ですがあの城に篭られては」
どうにもというのだ。
「迂闊に攻められません」
「そうだな」
「時は長くかけられませんが待つしかないかと」
ここで言ってきたのは軍監の沮授だった。
「城を完全に囲む状況にして」
「そこまで進めるか」
「はい」
まずはというのだ。
「そうしましょう」
「まずは枝を切るか」
袁紹は木に例えて返した。
「幹を落とす為に」
「そうです、大樹も枝がなくなれば寂しくなり」
「そしてだな」
「余裕がなくなります」
「そうして城を囲んでか」
「さらに攻めていきましょう、ただあの城は堅固です」
沮授は袁紹にこのことも話した。
「迂闊に攻めて
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