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拒食症
第二章
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 彼の体重は六十からさらに減っていき誰が見ても病的なものだった、もう誰も彼をデブだの言う者はいなかったが。
 彼はそれでもダイエットを続けていた、五十五キロになってもだった。
 彼はダイエットを続けていた、しかし極端で急激なダイエットで体力がなくなっていて足元もふらついていた。
 その時になっていい加減にだ、翔平は晃司に強い声で言った。
「もういい加減にしろ」
「いい加減にって?」
「だからもう止めろ、馬鹿なことはな」
「ひょっとしてダイエットのこと?」
「そうだよ、だから運動してもいいけれどな」
 それでもとだ、晃司にあらためて言ったのだった。
「食え、普通にな」
「だから食べないとね」
「何度も言わせるな、本当にそこまで食わなかったらな」
 それこそとだ、晃司にこれまで以上に強い声で言った。
「御前死ぬぞ」
「死なないよ、その分は食べてるから」
「違う、食ってないんだよ」 
 笑って、力のないそれで言う晃司のその言葉を全力で否定した。
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