シレーナの封じた過去編-4-
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行ってくるね』
『はい。ここには魔物がいないからって、安心し過ぎずに気を付けて行ってくるんだよ。いいね?』
『はーい』
「おや?移動するみたいですね。ついていきますか?」
「うん。魔物はいないって言ってたけど、あのくらいの女の子にとっては魔物以外も十分に危険だしね」
「ご主人様ったらお優しい。ますます好きになっちゃいますぅ」
「あはは……どうも…」
やっぱりご主人様って呼ばれるの慣れないな…。
『うわーきれー』
川につくと大きな滝があって沢山の魚が元気に泳いでいた。そういえば、僕の家の近くにある小さな川もここくらいに透き通るように綺麗な水だったな。
「ここでピクニックをしたら気持ちよさそうですね」
「そうだね。魚釣りもいいかもね」
「おぉ、ご主人様。魚釣りおやりに?」
「いやっ僕はしたことないんだけど、死んだ父さんがやってたんだ」
「ほう。なるほど」
『キャーーー!!』
「「えっ!?」」
パピコさんと何気ないしゃべりをしていると、川の上流の方からシレーナの悲鳴が聞こえてきた。
「行ってみよう!」
「あっはい!」
慌てて悲鳴がした方へ行ってみると…見たこともないようなバケモノがシレーナを襲おうとしていた。
『いっいや……』
「あれは、魔がい物!」
「まがいもの?」
「はい。前にも説明しました、デスピル病のウイルスみたいな魔物です。あいつが私達よりも先にシークレットガーデンへ到達されると、シレーナさんの心は壊れ荒れも無残な穢れになってしまいます!」
「どのみちここで倒さないといけないんだねっ!」
「お待ちくださいご主人様!」
「なにっ!?」
「魔がい物は絶対にご主人様が今腰に下げているその剣で、彼らのコアがある胸元へ一突きで倒してください」
「父さんの形見のこの剣で一突き…わかった」
「……私には案内と応援しか出来ませんが…頑張ってください」
「うんっありがとう!」
パピコさんにお礼を言うと一目散にシレーナの元へ駆け寄り、
「はぁぁぁ!!」
[ぎぎゃぁぁぁぁ!]
魔がい物のコアを一突きに突き刺した。魔がい物はこの世のものとは思えないほどの恐ろしい悲鳴を上げた後、黒い煙のようになって消え去った。
「君っ大丈夫!?」
『…ぁ。……ぁ』
シレーナは放心状態で何かを言おうとしてたみたいだけど、家の方角へ走り去って行った。
「まぁなんですかあの子は!?助けてもらったお礼も言えないなんて、礼儀知らずにも程があります!」
「ま、まぁまぁ…」
プンプン怒るパピコさんをなだめながら、あんな怖い思いをしたんだから言えなくてもしかたないよね。
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