第6話 その瞳は嫉妬の焔に焦がれて
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て気の乱れや歪みの位置を特定できるので、
「ハァアアッ!」
極太ビーム目掛けて剣をブーメランのように投擲し、打ち破る。
しかしそれは囮だったようで、瞬時にシーマの懐にまで接近すると、
「星穿ちぃッ!」
百代が魔術の存在を知る切っ掛けとなったあの日の夜、対軍神としてその場の即興で編み出した技をシーマへ向けて放つ。
だがそれを片腕だけで防がれる。シーマに星穿ちが通じなかった訳では無い。耐久力が規格外だったわけでもない。
理由はシーマがもう片方の腕で百代の右腕を掴み、士郎から教わった“とある武術”の技を駆使して経穴を突いて腕に装填されていた気を勝手に放出から霧散させたのだ。
「グッ!?」
だが懐に居るので、直に川神流の蹴り技を与えようとしたところで、剣のブーメランが戻って来る時に自分が射線上に居る事を咄嗟に察知して、地を蹴りその場から離れてそれを躱す。
「フッ!」
「ふぅ」
瞬時に瞬間回復で腕を治し不敵な笑みを浮かべる百代に対し、速度も回転も高速で戻って来た剣の柄を容易に掴みとり、一息つくシーマ。
シーマを見て、まだまだ余裕そうだなと嬉しくなる百代が再度仕掛けようと地を蹴ろうとした所で、
「今日はこの辺でよかろう」
「なっ」
「別に真剣な死合でも無いし、お互いがこれからもよりよく連携できる位の確認は終わったろう?」
「むむ・・・」
シーマの制止と言葉に押し黙る百代は正直続けたかったが、互いの戦力確認が建前だったので、それを理由に戦えたのだから指摘されれば聞き入れるしかなかった。
百代が渋々ながら構えを解いたのを見て肩を竦めるシーマだったが、何か思い出したように言う。
「そう言えば百代は此処で油を売っていてよいのか?」
「何の話だ?」
「今日の放課後、葉桜清楚の歓迎会をシロウの家の庭でやる話になったと聞いていたが――――ホントに知らんのか?」
「知らないぞ!何だその話は!?」
「朝、早速葉桜清楚に口説きに来ていたと聞いたが、3−Sのほぼ全員で歓迎会をやると言う事であったが、聞いていなかったか」
シーマの話など初耳だったようで、悔しそうに唸る百代。
「ぐぬぬぬっ!――――で、士郎の家で今もうやってるのか!?」
「料理を作らなきゃならんだろうから今、買い出し中であろうな」
「士郎がよく使う食材の買い出し先と言えば・・・・・・・・・あそこか!サンキュ、シーマ!」
地を蹴り、おもっいきり跳躍した百代は直に見えなくなった。
それを見送ったシーマに鉄心が近づく。
「孫娘が面倒を掛けたの」
「構わなくはないが仕方あるまい」
「すまぬな・・・・・・ところで」
「ん?」
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