第6話 その瞳は嫉妬の焔に焦がれて
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いて来られるとはと、百代の動きに驚嘆と関心が彼女の中で広がったいた。
ちなみにマスターたる与一は気絶中。
そして自分の従者を助けた義経は、百代とシーマの戦いに真剣な表情で完全に見入っている。特にクラスメイトで同じ剣士だったと気づいたシーマに熱い視線を注いでいた。
(義経じゃあんな動きも剣戟も出来ない。朝から見た時から強い人だと感じていたが、義経とは比べ物にならないほど剣士として完成してるのでは?)
義経は今後、シーマを同い年のクラスメイトとして接する事は出来ないだろう。
彼女の瞳はまるで、英雄に憧れる少年のように輝いている。羨望の眼差しで見続けているからだ。
此処まで百代と互角な戦いを見せ続けているシーマに、別の者達――――風間ファミリーも驚いていた。
「いやー、熱い戦いじゃねぇかッ!」
「まさかシーマが此処まで凄いとは!」
「剣士として自分もいつかはあの域に至れるだろうか・・・・・・如何した犬?」
「・・・・・・・・・」
クリスの指摘を受けている一子は黙っている。
無視している訳ではない。見入っているが義経とは違う彼女の瞳に移る感情――――それは嫉妬だ。
数年前から百代に憧れて部の世界に足を踏み入れて、努力してきた。
努力――――努力して努力して努力して努力して努力して努力しても未だに追いつけない憧れの存在。
それだけなら嫉妬を抱く事など無い――――少なくとも百代には。憧憬の具現とはそういうモノだ。
だが――――だが、同い年の急に現れた少年が今、百代と同じ地平で戦い繰り広げている光景を見せ続けられれば、まるでいとも容易く憧憬の具現の隣に並ばれれば、醜い劣情――――嫉妬を抱くなと言うのは無理らしからぬことだった。
『お前にはそこへ至る才能が足らない』
今の師匠たるアルバに言われた事も嫌でも思い出す。
勿論それだけで終わらず、見事自分の修業に耐え抜けば、無理矢理にでもその境地に立てる様に仕込んでやれるとも言われている。
確かにこの道を行けば憧憬の具現と同じものを、いずれ見れるようになるだろう。
だがいずれだと言う残酷な現実が、努力の天才たる一子に焦燥と嫉妬を自覚なしに覚えさせているのだ。
そんな周囲の事など勿論お構いなしに互いの矛を間地合わせ続ける2人。
百代がシーマの蹴りを利用して足を踏み台に高く飛びあがると、両手にそれぞれ似て非なる技を繰り出す為に気を練り上げて形とする。
まずは左手から、
「川神流――――星殺しッ!」
一撃必殺の極太ビームは、そのままシーマへ一直線に伸びるがシーマがそれに狼狽える事は無い。
今だ真名は不明だがセイバーたるシーマはアーチャーの適正も高いのか、弓兵並みの視力を以
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