第6話 その瞳は嫉妬の焔に焦がれて
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いな?」
「うむ」
「いつでも」
「では――――始めいッ!!」
直後、瞬間的にシーマへ突っ込みながら主砲を放つ。
「川神流――――無双正拳突きィっ!」
「フッ」
同じように百代へ突っ込んできたシーマの刺突による切っ先がぶつかる。
直後、両者の衝突により生み出された衝撃波が結界全体を震わせる。
その現実に先程までシーマへの過小評価で満ちていた観客達が押し黙って息をのむ。
瞬間、少し下がろうとした百代だが、その隙をつかれて剣の柄で顎を強く打ち上げられて脳震盪が起きる。
何時もならそこで瞬時に瞬間回復を行い脳震盪を治すが、シーマに隙が無いので、宙で空気を蹴って広範囲技でやり返す。
「(川神流省く)――――扇風蹴!」
足を中心に扇方の気を作り、それを勢い良く振りかぶるようにして豪風で相手を吹き飛ばす技。
しかしシーマは豪風をいとも容易く切り裂き、百代の足を掴んで、
「ラッ!」
「ガッ!?」
士郎から教わった柔道の要領で叩き付ける。
対して百代は脳震盪も続いていたので、まともに受け身が取れずに背中に大きな負荷を受ける。
直にその場から距離を取って瞬間回復で体を治す。
矢張り百代の顔に浮かんでいるのは屈辱からの怒りでは無く、強者との戦いから生じる喜悦だった。
「バトルジャンキーさはどこまでも抜けないな、お主は」
「戦う美少女に何て言い草だ!押し倒してやる・・・!」
文句を言っても笑っている。それほど楽しいのだろう。
仕切り直しと互いに突っ込み、剣と拳、拳と蹴り、技と体の応酬が高速で繰り返されて行く。
並みの武術家では一瞬で沈む一撃一撃を両者とも防ぎ捌き躱し続ける。
あまりの速度と威力により大気が悲鳴を上げ続け、ある種の特別な領域にまで成り上がる。
しかもこれがお互い本気ではない――――手を抜いてるのだから凄まじいものだ。
「ま、まぐれよこんなの・・・」
「そ、そうよ私たち百代お姉様があんな子に・・・」
「いやいやどっちもスゲーゼ!?」
「こんな拮抗するなんて、シーマ凄く強かったんだな!」
「チョーヤバイ!マジでファンになりそう!」
それを結界外から見ていた生徒達は、少数ながら百代が手加減しているから戦いが続いているだけと呟く者もいたが、多数は手のひらを返して手汗握る者や声援を掛ける者と白熱する戦いの気に当てられて熱に満ちていた。
『これは手出しできませんね』
経緯は知らないが2人が闘うと言う事で、いざとなれば庇い百代を救い出そうと考えていたジャンヌだったが、到底手出しできる状況では無かった。
それに話には聞いていたが、英霊でもなく齢18歳でサーヴァントの身体能力に付
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