第6話 その瞳は嫉妬の焔に焦がれて
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それはシロウ本人に言ってくれ。それに奴はもう予定を入れてしまって、どちらにしろ無理であろうよ」
「むーーー!」
不満から唸る百代だが、今日も何時も通り士郎に組み手をしてもらうつもりだったため、当然収まりがつかない。だから、
「ならシーマ、お前が相手してくれよ?」
「余と?」
「そう言えばお前と一度も組手もした事なかったし、これからの為にもどの程度出来るか見極めとかなきゃいけないだろ?」
「「「「「「?」」」」」」
百代の言葉の意味をよく理解できていない風間ファミリーの面々。
反してシーマは考え中。
「・・・・・・・・・ふむ。良かろう――――と言いたいが良いのか?」
百代に言うでもなく、他の誰かでも無く、目を瞑りながら言うシーマ。
「聞こえていないフリするならそれでも良いが、グラウンドの何処かを使って勝手に始めるぞ?勿論周囲に被害が出るやも知れぬが構わぬな?」
「そりゃ困る!」
何時の間にいたのか、鉄心が反論して来た。
「矢張り盗み聞いていたか。義経対百代に備えていたのだろうが、あまり良い趣味とは言えぬな」
「むぅ」
「爺の趣味の悪さなんて今更如何でもいい。それよりも、シーマと戦うから結界張ってくれよ。さもなきゃ施設が壊れるぞ」
酷い言われようである。その上、破壊する前提の言い方だ。
「周囲に気を配る位はせんか」
「配るがもしもと言う事が有るだろ?で、張るのか張らないのか?」
百代の言葉に返事をせずにシーマへと視線を向ける鉄心。
「お主は良いのか?」
「本音は兎も角、建前の言葉には一理あるだろうと、一応自らを納得させた」
溜息をつく鉄心。
一番嫌がりそうな者が決めているのだから、元凶の祖父たる自分が反対する訳にもいかず、
「第二グラウンドでやるぞい。見学したい者は巻き込まれぬよう遠く離れた所で見る様に」
認めるしかなかった。
−Interlude−
鉄心の言う通りに従って第二グラウンドに降りてきて向かい合う2人。
それを離れた地点で見ている様々な観客たちは好き好きに言う。
「学長の言う通り離れてるけど、意味無いんじゃないか?」
「そうよね〜。百代お姉様にかかれば誰であろうと一撃で沈めるわよ!」
「だっていうのに変に粋がりやがって、イケメンのくせして生意気な!」
百代のファンクラブや百代贔屓の生徒は似たようなことを言う。
「しかしそんな格下と戦う場合、川神さんがあんなに戦意に満ちているだろうか?」
「それにこの戦い、川神さんから切り出したと言うではないか?」
「ではやはり相応な強さが有るのではないか?」
京極
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