暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜ラブライブ〜
歴史に名を刻む者
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ガッチリしているのがわかる。足にレッグガード、肘にはエルボーガードを付けて背番号10の少年と何やら話しているその姿を映しながら、解説者たちは試合の展望を語っていた。

「この試合は六年前・・・剛さんたちが二年生の時の夏の準決勝」
「相手は甲子園史上初の三季連続優勝がかかっている神奈川の強豪『山堂学園』よ」
「山堂学園なら聞いたことあるニャ!!」
「確かマニュアル野球を駆使して戦う絶対王者・・・だったはずよね?」

マニュアル野球・・・予め決められた戦術通りに戦うことで試合を優位に進め、相手を圧倒するそのスタイルは、まるでプロ野球のようとも言われており、強さに興奮するものと高校生らしさに欠けると嘆くものと大きく別れさせる。

「そう。しかもこの時は最強の世代とさえ言われていて、レギュラー陣にのちにプロに行く人がなんと5人!!投手は一年時からベンチに入っている三人を中心にローテーションを組んでいて、全員が完投能力を持っているわ」
「しかもこの試合の先発はエースの牧村!!甲子園での防御率は一点とまさしくこの世代最高の投手と言っても過言ではありません」

他にも捕手やクリンナップもプロで通用する逸材が数多くいるらしく、前評判だけでその強さが桁外れなことが理解できる。

「ちなみに東日本学園は?」
「もちろん東日本学園も強いです!!トップバッターの剛さんを筆頭に打率の高い打者たちが顔を揃え、エラーも少なくここまでわずか1!!」
「投手もすごいわよぉ。一年夏から登板経験がある背番号10の二年生、『プリンス』こと綺羅光。そして彼を遥かに上回る天才投手、この春からエースナンバーを背負っている同じく二年生、『神の子』こと佐藤孔明」
「佐藤孔明・・・」

その名前には、皆聞き覚えがあった。野球をやっているものもいないものも、この名前だけは聞いたことがあるというものも数多くいる。

「佐藤さんのことは聞いたことがあると思います。最多奪三振、連続奪三振、一試合最多本塁打記録、大会最多安代記録など多数の記録を塗り替えた人ですし」
「それより、『悲劇のヒーロー』として取り上げられることの方が多いけどね」

投手としても打者としても数々の記録を残し日本中を震撼させた彼は、三年の夏を最後に表舞台から姿を消した。その理由は、投げ過ぎによる肩と肘の故障。

「自らの体を犠牲にしてチームを甲子園制覇に導いた、東日本学園を伝説とまで言わしめる大きなキーとなったのが彼です」
「それと同時に、現在の打高投低と呼ばれる時代になったのも、彼が大きな要因と言われているわね」

打高投低・・・打者の力が投手を上回っており、比較的打撃戦になる場合に使われる言葉。佐藤の故障を受け、より継投やオーバーワーク撲滅等の対応を迫られた結果、打者の力に投手の力が及ば
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