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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第三十五話「地下牢の再会」
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カツーン、カツーン、カツーン
薄暗い地下通路に足音が響く。
ヘンリー達はライオネットに連れられてレナス王が幽閉されている地下牢へと歩いている。
以前、住んでいた城とはいえ流石に地下牢に近づいた事は無かった為にこの地下牢への入り方は知らなかったのでライオネットとの再会は正に幸運と言えた。
「陛下達が入れられている場所は其処の角を曲がった所です」
そしてヘンリーは遂にレナス王と王妃と再会する事となる。
だが、10年ぶりに見たその姿は以前、自分達が着せられていた奴隷服よりは幾分マシな程度の粗末な物であり、身体も痩せ細るなど余りにも変わり果てていた。
「陛下、王妃様、お食事をお持ちいたしました」
「おお、ライオネット。こんな所まで持ってこさせてすまぬな」
「そんな事は言わないで下さい陛下。私の方こそ陛下達を救えぬままで申し訳ありません」
レナス王は野菜屑が少し入っただけのスープと固くなったパンを受け取りながらそう言うが、ライオネットも未だに救い出せない事を謝罪する。
「さあルイナ、お前も食べなさい。こんな物でも食わなければ身体が持たないぞ」
「…いえ陛下。私は何時も通り半分だけで結構です」
王妃ルイナはそう言いながらパンを食いちぎり、スープをすすると前言通りに半分で止めてしまい、床に置いたと思うと何処からか現われたネズミが食い散らかし、そんな光景をヘンリーは驚愕した表情で見つめる。
これがあの威厳に満ちていた王妃かと、レナス王と息子のデール王子以外を見下していた王妃かと。
「ルイナよ、そうは言うがこの所更に痩せ細っているではないか。このままではもう数日と持たぬぞ」
「構いませぬ。それこそ私に相応しい最後でしょう」
俯きながらそう答えるルイナの瞳から数粒の涙が零れて来る。
「確かに最初の頃はこの様な扱いに憤っておりました。しかしこの苦しみの中で気付いたのです。我が子可愛さとはいえ私はヘンリーにこれ以上の苦しみを与えてしまったのだと」
「ルイナ…」
「私があの様な愚かな欲にかられ、あの様な嫉妬を抱いたばかりに何の罪も無いあの子はこの様な薄暗い地下牢で今の私以上の苦しみを味わった事でしょう。その上陛下までも巻き添えにしてしまいました。全ては…、全ては私の…、この私の罪。苦しみ続ける事こそが私の罰」
そんな王妃を見ていたヘンリーは心の中に燻っていた王妃への憎しみと恨みがゆっくりと消えて行くのを感じていた。
彼はこの10年の奴隷生活の中で人の心の光と闇を見ていた。苦しみながら助け合おうとする人も居れば、苦しみから逃れる為に仲間を裏切る者も居た。
それ故に王妃の涙ながらの懺悔が嘘偽りの無い物だと感じていた。
だからヘンリーはリュカが何かを言う前に牢に近づくと腰を下ろし、檻越しにル
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