第二章
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「日本ですよね」
「言うまでもなくね」
「じゃあ日本をアピールしますか?」
勧誘の時にというのだ。
「勿論部活の紹介の時も」
「思いきり和風でいくの」
「そうしますか?」
「具体的にはどうするのよ」
部長は提案した早百合に眉を顰めさせて尋ねた。
「日本でいくにしても」
「具体的にはですか」
「そう、どうするのよ」
「そうですね、平安時代ですか」
歌留多だからとだ、早百合は部長に提案した。
「皆で平安時代の服を着て」
「十二単とか」
「私が読んだ漫画は主人公着物着てましたけれど」
そこをというのだ。
「思い切ってです」
「平安貴族でいくの」
「はい、貴族でいきましょう」
こう部長に言う、それも強気で。
「五人全員で十二単着て」
「紹介なの」
「これインパクトあるし注目されますから」
「二人位は来てくれる」
「そうかも知れないですよね」
「うち生徒数多いしね」
その中でのマイナー部だ、マイナー部にはマイナー部の苦労があるが早百合達は今その苦労を実感しているのだ。
「だったらね」
「はい、二人位は興味を持って」
「わかったわ、じゃあ十二単は」
肝心のその服はとだ、部長が早百合に話した。
「幸い演劇部が持ってるでしょうし」
「あそこ凄い服持ってますしね」
「十二単っていっても実は」
「絹じゃないですね」
「麻とか薄い木綿で作ってるから」
そうした生地を使ってというのだ。
「色は派手でも」
「実際の十二単とは違いますか」
「だってあれ絹でしょ」
「高いですよね」
「そんな高い服高校の演劇部にないから」
部費の関係でだ。
「ましてあそこ半分コスプレ同好会だし」
「服を作れる部員も多くて」
「そういうのも出来るけれど」
それでもというのだ。
「流石に絹は無理よ」
「麻とか綿の十二単ですね」
「ちょっとあっちの部長にお願いしてね」
そうしてというのだ。
「十二単借りてくるわね」
「お願いします」
「借りれなかったらその時また何とかするから」
十二単でなくてもというのだ。
「とにかくね」
「はい、日本文化を表に出して」
「勧誘と紹介していくわよ」
「わかりました」
早百合だけでなく他の部員達も頷いてだった、そのうえで。
歌留多部の面々は一学期の部の勧誘や紹介に十二単を着て出ることになった、そうして新入生達を誘うのだが。
一年生の子達は早百合達を見て彼女達に驚きながら尋ねた。
「あの、それ十二単ですよね」
「歌留多部ってそれ着て部活するんですか?」
「大会とかにも出るんですか?」
「そうなんですか?」
「それはないから」
早百合が一年生達に笑って話した。
「流石にね」
「やっぱりそうですよね」
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