第二章
[8]前話
「新選組にもあったらしいし」
「信じられないわ、男の人同士でとか」
「女の子同士でもよ」
「あるの」
「あるわよ、これが」
「ううん、そんなのもあるのね」
「里奈ちゃんそうしたことは疎いから」
この友人も兄と同じことを今度はやれやれという笑顔で話した。
「けれどね」
「男の人同士とかでもなの」
「恋愛ってあるのよ」
こう里奈に話した、この友人は軽く言っただけだった。しかし。
里奈はそうした小説や漫画も読む様になった、するとだ。
家で妹がボーイズラブやガールズラブの漫画を読んでいるのを見てだ、兄は思わず妹に言った。
「おい、そっちに走るか」
「そっちって?」
「だから同性愛にだよ」
妹を恐ろしいものを見る目で見つつ言った。
「それはないだろ」
「ないかしら」
「俺は普通の恋愛を言ったんでな」
「こうした恋愛はなの」
「言ってないぞ」
「そうだったの」
「そうだ、それにそもそも御前少しでもな」
妹が読むそうした漫画と読んでいる妹を咎める様な目で見つつさらに聞いた。
「男の子と話してるのか?」
「ううん、実は」
里奈は兄の問いに弱っている感じの声で答えた。
「どうにもそれは苦手で」
「それしろ、恋愛を知りたいならな」
「男の子とも話せ」
「同性愛だと女の子と」
「そっちはいい」
そちらは趣味でないのえ全力で否定した。
「とにかく男の子とも話せ」
「読んだり聞くだけじゃなくて」
「そうしろ、それからだ」
「お兄ちゃんもそうしてるの」
「俺は普通に話してるぞ」
このことには自信があった、自信を持つ様な話かどうかは置いておいて。
「ちゃんとな」
「そうなの」
「そうだぞ」
「じゃあ彼女の人いるの」
「いないけれどな」
嘘は言わなかった、兄は正直者だった。
「それでもな」
「恋愛を知りたいのなら」
「男の子とも話せ」
「私それがどうしてもだけれど」
「だからそこを頑張れ
「恋愛って頑張らないといけないことが多いのね」
「そういうことだ」
兄は妹に強い声で言った、里奈はそんな兄の言葉を聞いて恋愛というものはどれだけ大変なものかと思った。中学生の彼女には恋愛は途方もなく難しいものだった。だがここから誰もがはじまるものだとだ。里奈は後で笑顔で振り返ることになった。恋愛がどういうものか肌で知ったその時に。
恋愛は難しい 完
2017・7・28
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