第六章
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ーブティーを飲みながら僕に言ってきた。
「実は僕の許婚はね」
「あの人だね」
「そう。姉さんなんだ」
あの彼によく似た人だというのだった。
「僕の許婚は実の姉なんだ」
「法律的に大丈夫なのかな」
「書き換えているからね」
戸籍を。そうしているというのだ。
「そこは代々上手にやっているよ」
「役場でそうしているんだ」
「うん。役場も全部僕達のものだからね」
「君達のなんだ」
「僕の一族が平家の落ち武者だったのは前に話したね」
「うん、そして隠れ里だったね」
「そう。はじまりは二人だったんだ」
創世神話でもよくあることだった。アダムとイブだけじゃない」
何処の国でもはじまりは二人だ。男と女。そしてそれは彼の村でもだというのだ。
「一人の平家の武士と彼の妻だったんだ」
「その二人ではじまって」
「二人だよ。じゃあわかるね」
彼は僕にさらに言ってきた。
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