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提督していない提督による騒がしい日常
シンカイ化
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うに敵へと向かう
艤装から1本の禍々しい太刀を取り出してル級の砲塔を腕ごと叩き斬る
その後ル級の頭を切り飛ばしながら他の少し遠くにいる敵艦に砲撃を撃ち込む
着弾なんて見もせずに他の敵に向かって行き、また1隻、また1隻と首を飛ばす
自分の意志とは関係なしに砲撃するが全弾命中、緻密な計算に狂いはない
1発で確実に沈める砲弾に爆弾1発で沈める艦載機、そして本体が斬りかかる
こんな鬼神に深海棲艦はたちむかうも無残に殺された
600も超えていた大量の深海棲艦は竜巻に向かう蟻のようだった
時間にして24分56秒
深海基地が壊滅した

ー飛龍ー
あれだけ大量にいた深海棲艦が
それもたった1隻に壊滅させられた
時間も30分足らずで...
その惨劇を見ていた私たちは、あまりの圧倒的な力の差に、言葉を失っていた
返り血のようなものを浴びた1隻の深海棲艦はこちらに振り向くと徐々に光を失いながらこちらへとゆっくり近づいてきた
無表情だった顔に涙を浮かべながら
正直、私はこの深海棲艦、いやこの人の正体を知っている
知っているというよりわかったの方が正しいが
私は意を決してその深海棲艦に声をかける
「お疲れ様...無茶させちゃってごめんね...」
「提督」
私はその逞しい身体をいまできる精一杯の力で抱きしめた
禍々しかった提督の艤装は段々と私たちに似た艤装へと戻っていき
「俺こそ無茶させちまったな、許してくれ」
私はその言葉に対し、あなたが謝ることはないよ、と笑って言った
「そっか、ありがとな...いま島風にロマンブースターとかいうの付けて明石運んでるからもうちょっと待ってくれ」
「え...それ大丈夫なの?」
「島風自身が楽しんでるから多分大丈夫だ」
「そ、そう...」
提督はすこし離れたところにいたみんなに手招きをしてこちらに呼んだ
「あちゃーみんなボロボロにやられてんなぁ...」
提督は1人1人それぞれに謝罪を述べる
みんなは揃って謝罪することはないと否定するがそれでも提督は謝罪を続ける
「帰ろ、みんなが待ってるからさ」
私はそう催促した
「そうだな、ちょうど島風も来たようだから」
すこし遠くから物凄い勢いでこちらへ向かってくる人影が見える
「おっ!!」
ズシャァァァァと音を立てながら島風が止まる
「明石、到着しました!!」
「運んだの私だけどね!?」
「まあまあ島風ちゃんはトンボ釣り行ってきて、ほらほら」
明石は島風の背中を押してトンボ釣りに行かせた
「ではでは応急修理しますんで皆さんこちらへ」
「バケツぶちまけた方が早かったか?」
そういって提督は艤装からバケツを取り出す
「私来た意味ないじゃないですかぁぁぁあ!!」
夕焼けを背景に明石の絶叫が橙色の空へと響いた
ー提督ー
段々
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