第一章 ハジマリ
第29話 協力要請
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成する為の部位がことごとく欠如していた。そしてリーダーのスキア同様、皆色が無い。
「前回のはただのゲーム…………試合はこれからですよ、アステリさん」
「ッ……!」
微笑みを浮かべるスキアに対し、より一層睨みを鋭くするアステリ。
その様子を隣で見ていた天馬は必然的に、先程フェイやアステリを襲った敵もこのスキアと言う男なんだと言う事に気が付く。
状況を察知するや否や、天馬は何が起きても瞬時に対応出来るよう、全身に力を込め、警戒体制をとる。
――こいつもモノクロ世界のイレギュラーなら……
――昨日のカオスみたいに、直接攻撃を仕掛けてくるかも知れない……
そう思考を巡らす天馬の脳裏には、昨夜自分とアステリが河川敷で味わった苦痛が場面として蘇っていた。
そんな天馬の心情等つゆ知らず。スキアは目線をアステリから周囲の雷門メンバーへと投げ、口を開いた。
「雷門中学サッカー部の皆様、始めまして。私の名前はスキアと申します。そこの裏切りさんからもうご説明があったと思いますが、色の無き世界【モノクロ世界】からやって参りました、イレギュラーでございます」
両手を広げ、高らかに声を上げたスキアに天馬、フェイ、アステリを除いた全員が驚いた様に目を見開いた。
「モノクロ世界だと……」
戸惑いを隠しきれず神童が呟く。
口では「信じたい」なんて事を言っていた彼だが、今日会ったばかりの少年から告げられる聞いた事も無い単語や存在に、内心は疑いの眼差しを持っていた。
それは他の部員達も同様であり、中にはアステリ自身を疑う者もいた事だろう。
だが、目の前に存在する男の存在が、今自分達の目に映る光景全てが、アステリの告げた話が真実だと嫌でも証明していた。
「お前達の目的はなんだ」
目の前の異形に向かい、比較的冷静に言葉を投げかけたのは監督の円堂だった。
彼は態度こそ冷静だったが、その言葉には自分の大切な学校をこんな風にしたスキア達に対しての怒りの感情が感じ取れた。
そんな彼の怒気を確かに感じながら、スキアはにっこりと笑顔を浮かべ言葉を返す。
「私達の目的ですか、そうですねぇ……。強いて言えば、そこの裏切りさんを連れ戻す事。それにアナタ方、雷門メンバーを潰す事……ですかね」
「なんだと……」
飄々と返された言葉に、円堂の顔つきがさらに険しくなっていく。
それと同時に傍で二人のやり取りを聞いていた雷門メンバーも、強張り、緊張した面持へと変わる。
「私達の邪魔となり得る存在は早めに潰しておく。例えそれが、どんなに小さな芽であろうと……」
「ッ……!」
「……と言う訳でして。もちろん試合……お受けしていただけますよね?」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべ、その場の全員にそ
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