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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十四話 誓いをここに
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果、俺がどれだけ嫌われようとも構わないと……そう思っていた。

 なのに、こうして目の前の存在に大切に想われた。

 こんなに心配してくれて、こんなに涙を流してくれて、こんなに想ってくれる。

 そんな存在が目の前に沢山いてくれる。

 それが……嬉しくて。

「柚那」

「……」

 返事はない。

 だけど、その目は俺の目を捉えて離さない。

 それは無視している様子はないから、俺は言葉を続ける。

「ありがとう」

 ようやく見つけた、彼女たちに返すべき言葉。

 ごめんとか、ごめんなさいじゃない。

 謝罪じゃなくて、感謝だったんだ。

 心配かけてごめんじゃない。

 心配してくれて、ありがとうって。

「俺のこと、大切に想ってくれて、ありがとう」

 俺は抱いた。

 俺がこれからも戦う新たな理由を。

「だけど俺、やっぱり大切な人を守りたい。 大好きな人を、守りたいんだ」

 改めて、そう思った。

「姉さんのこと、なのはのこと、雪鳴のこと、柚那のこと、皆のこと、そして――――フェイトのことも」

 俺は柚那からは少し離れ、フェイトの方を向いた。

 ずっと俺たちを遠目で見つめていたフェイトは少し驚きながら、こちらを見つめ返した。

 それにふっと笑みで返し、言葉を紡ぐ。

「俺はみんなのことが大好きなんだ。 そんなみんなを傷つける存在は許さないし、みんなの幸せを守るために命を懸けることだってあるだろう」

 だけど、それだけで終わるつもりはない。

「だけど、俺もその幸せの輪の中に入りたいんだ。 俺も、その幸せを感じたいんだ。 だから、生きるよ、俺は――――」

 そう言って俺は、右手を振ってフェイトをこちらへ招く。

 何なのか分からずも、フェイトはこちらへ向かってきた。

 俺は手が届く距離まで近づいた所でフェイトの左手を握り、こちらへ一気に引き寄せ、そのまま俺の胸に抱き寄せた。

「わっ!?」

 さらに左腕を柚那の背に回し、こちらの胸へ一気に抱き寄せた。

「きゃっ!?」

 そのまま片腕ずつで二人をギュッと抱きしめて、そして耳打ちするように誓う。

「俺は、俺の一生全てを二人の幸せに捧げる」

 これが、俺が決めた戦う理由だ。

 みんなの幸せのために戦って、その幸せの中に俺もいる。

 そんな世界を目指して強くなろうと誓った。

「ふぇっ!?」・「ふぁっ!?」

 二人のか細い声が胸の奥で木霊する。

 突然のことで驚かせてしまったみたいだ。

 だけど、この胸に生まれた大きな志を抱かせてくれた感謝の思いを爆発させずにはいられなかった、反省はしていない!

「「
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