箱庭のリバティ
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妙に足が速いが、運動神経抜群のフェイトなら追いつける。まぁ、万が一追いつけなくとも、魔法を使えば問題ないだろう。念のため地上での魔法使用の許可は出しておくから、ひとまず今は彼女と接触するんだ』
「了解」
相手を攻略して好感度を上げるなんてギャルゲーじみた一風変わった任務だが、形式的な意味で敬礼して正式に受領する。
『ちなみに僕はこれから例の停戦協定についての会議に参加するけど……ロッサ、くれぐれも変なことはしないでくれよ?』
「クロノは僕を何だと思ってるのさ……。これでも僕は恋愛シミュレーションゲームを200時間以上プレイした人間だよ? 女の子の扱いぐらい、僕にかかればお手の物さ」
「あの……ゲームと現実を混同するのは色んな意味でマズいと思う。というかアコース査察官はなんで200時間もそんなゲームをやってたんですか……?」
率直に尋ねると、フッと彼の顔に影が差して何とも悲し気な表情で理由を明かした。
「2年前の髑髏事件以降、僕達は毎晩あの虫責めの悪夢を見てね……。一応皆、大事なアレは守り切ったけど、当時全身を駆けずり回り、噛みついてくる虫たちのおぞましい感触……それが鮮明に記憶にこびりついてるんだ。おかげで僕達は毎晩毎晩飛び起きては全身脂汗まみれで、再び眠る気にもならないどころか寝たら悪夢を見るって恐怖してしまって……。そんなフラフラの僕達の様子を見かねて声をかけてくれた管理局員のヴァイスとティーダ、グリフィスに、あまりにも眠れないもんで強引にでもトラウマを払拭したいと言ったら、それらの恋愛ゲームを薦められたのさ。それに熱中したおかげでそれらの記憶に蓋ができたんだけど、こうして話題にされてしまったら………………。……痛い痛いやめてそこはマジでダメだから喰われる喰われる待ってくれそこは入れないから尻はマズいから虫に奪われたくないから早く助けて助けて虫が虫が虫が虫怖い虫怖い虫怖い虫怖いうわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!??????」
『あぁ、トラウマが再燃しちゃったか……。ダメじゃないか、フェイト。あの事件の禍根はこんな所にも残ってるんだから、そんな無遠慮に掘り返したらさぁ……』
「ご、ごめん……」
頭を抱えて半分狂乱してるヴェロッサには悪いことをしたと思う。気の毒に思ったクロノの指示でアースラクルーが彼を回収しに来たが、トラウマスイッチが入ったヴェロッサはしばらく使い物にならないらしい。……本当にごめんなさい。
さて……ちょっとグダグダにはなったものの、気を取り直してシャロンに会いに行くとしよう。とはいえ昨日皆には内緒にしていたドレビン神父の情報でシャロンがミッドチルダ北部にいたことは既に知っていたが、こうも早く探知されるなんてね……。まぁ、彼女と接触する担当は私に任されたようだし、知り
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