箱庭のリバティ
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ファーヴニルの封印もかけ直せる、例の停戦協定に起死回生の手を打てる可能性だって生まれる。まさに良い事尽くめじゃないか』
ヴェロッサもクロノもそう言ってくるが、どうも私は嫌な予感がして仕方がない。さっきのクロノの言い方から察するに今はケイオスが傍にいないように思えるが、だからと言ってシャロンに近づくチャンスと見るのも早計だと考えている。だって、彼女のこちらに対する距離感は何一つ掴めていないのだから。
「あのさ、二人とも。彼女に協力を取り付けたいんなら、そんな押し付けるような言い方は避けた方が良いと思うよ。いきなり協力してほしい、と迫ったら相手も警戒するというか嫌がるかもしれない。そうなったら本末転倒だよ」
『なるほど、一理ある。執務官のフェイトが言うなら、こちらも迂闊な接触は避けるように尽くそう。ただ……こちらも悠長にしていられる時間が無いことは理解してくれ。一刻ごとに状況が悪化しているのも事実なんだから』
クロノの言う通り、何らかの理由で戦闘が起きてファーヴニルの封印がいきなり破れたり、なのはの容態が悪化したり、オーギュスト連邦がいきなり攻勢に打って出る可能性もある。それに、あの停戦協定にはもう一つ隠れた爆弾があることに私は気づいていた。……ただ、今は穏便に済ませるため口にしないでおこう。
『とりあえず彼女と接触するのはフェイトに任せる。僕達が行くより、同性の君の方が向こうも接しやすいはずだからな。ただ、はやては何というか……余計なことをしそうな気がしてな……』
「あぁ……胸的なアレね……」
『と、とにかく言い方はアレだが、食中毒で倒れているのは都合が良い。休息の意味も含めて、しばらく大人しくしててもらおう』
はやての性癖と同時に、サラッとシャマルのケミカルダイナマイトウェポンが食中毒扱いされていた。しかし威力的に間違ってるとも言えず、擁護できないのが悲しい……。
『そんなわけで、ロッサもいざという時に備えて協力してほしい。これも世界を存続させるためだから、真剣に頼むぞ』
「別に言われなくともやるけどさ……よく考えたらこれって次元世界生還のためとはいえ、年頃の少女を社会人が魔法やら特殊能力やらをフル稼働させてストーカーするってことだよねぇ? 仮にも治安維持組織の人間がやって良いことなのか、ちょっと疑問だよなぁ……」
『…………』
ヴェロッサ……それは言っちゃいけない。それを気にし始めたら世の中の探偵はおろか、執務官も捜査官も艦長もストーカーの仲間入りを果たすことになっちゃう……。……うん、清濁併せ呑むとは、ある意味こういうことも入っているのだろうね。
「え、え〜気を取り直して一応手順は理解したけど、肝心の彼女は今はどこにいるの?」
『ミッドチルダ北部の住宅街へ移動中だ。なんか
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