非常識野球
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しかないため、タイミングを崩すことはできない。色々緩急を付けれるボールは練習したが、どれも海未には合わず、今のスタイルになっている。
カキーンッ
「ライト!!ボール・・・せ・・・サード!!」
テンポよく二人を打ち取ってのクリンナップ。初球からシュートで詰まらせにいったが、相手に適応され長打を浴びる。その際穂乃果の指示が遅れ、中継がずれ一気に三塁を陥れられた。
(こればっかりは経験値が物をいう。あと2ヶ月で覚え込ませるしかない)
配球、指示、キャッチング、様々な役割がある捕手は負担が大きい。しかし、それゆえにチームの中心がそこにいる安心感は計り知れない。
「穂乃果!!自信持ってやれ!!ミスしていいから!!」
主将で捕手、その重役を担ったことがあるからこそ、落ち込んでしまうとチームの士気に影響を与えることをよく理解している。普通の人物ならこの声掛けでもなかなか切り替えられないが、穂乃果は違う。ポジティブシンキングの彼女なら、簡単に切り替えられる。
カキーンッ
「ありゃ」
その直後の初球、甘く入ってしまったストレートをレフト前に痛打される。ゆっくりサードランナーがホームイン、一点を先制される。
その後、四球とエラーで一点を追加されたものの、その後をなんとか抑えて二点に止めた。
「打たれるのは仕方ない。問題はそのあとをしっかり抑えることだ」
円陣で軽く声をかけすぐさま攻撃に入る。
カンッ
先頭の穂乃果がライト前にポトリッと落とし出塁。続く二番の凛に、剛からサインが飛ぶ。
「よーし!!」
グッと背伸びしてバットを構える。バントの構えがないことに相手キャッチャーは訝しげな表情を浮かべるが、セオリーで考えればバントなため、野手にブロックサインを送る。
スッ
投手がクイックモーションで動き出したその瞬間、一塁ランナーの穂乃果がスタートを切る。投球は外角へのスライダー。
カキーンッ
それを打って出る凛。だが、打球はセカンドの正面。本来ならゲッツーコースだが、あらかじめスタートを切っていた穂乃果はすでに二塁に到達しており、一塁だけアウトになる。
(正面か。打球はよかっただけに惜しいな)
初球からリスクの高いエンドランを仕掛け、敵を揺さぶりにかかった剛。結果は失敗だったが、ランナーを進めることはできたのでこれはこれでよし。
(真姫は普通に打たせていい。そのために三番を上げたんだから)
続いての真姫にはダミーサインを送る。真姫はそれにうなずくと、構えに入る。
カンッ
高々と打ち上がった打球。センターはバックし、それをキャッチした。それを見てから、穂乃果がタッチアップで三塁に向かう。
外野の深いところまで飛んだため、相手は到底
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