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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第101話:一部の愚か者が組織の信頼を貶める。
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カーの上司“モンダヴィル”も、更に上司の“バーマー”も緊張の度合いを強めた。

「クロウの言ってた通り、この村の駐留兵士等が自らの願望を丸出しにして、治安を維持するどころか、乱していやがった! コイツ等はビアンカにまで手を出そうとした……これまでに何人ものレイプ被害者が居るはずだ」

「へ、陛下……我々はその様な事は……」
正座組の一人が弱々しい口調で罪を否定する。
やってねーわけねーだろ!

「嘘吐くんじゃねー! 今すぐ村中に聞き回ってやるよ! それで一人も被害を受けてないと証言したり、見た事もないと証言されてたら、少しだけ信用してやる。だが聞き込みは国内全域に展開させる。この村から逃げ出した被害者が居ないかを確かめる為にな! そこまでしても本当に『やってない』と言い切れるか? 言い切ったとして、もしやってたら、国王に嘘を吐いた罰として、貴様等の家族も死刑にするからな!」

ちょっと家族にまで累を及ぼすのは遣り過ぎだろ。
だが脅しとしての効果は大きそうだ。
みんなガタガタ震えながら下を向き、「も、申し訳ございません……やった事あります」と訂正してきた。

「本当にクズ共だな!!!」
怒気を押さえきれないリュカさんは、今にも殴りそうな状態で連中を睨んでる。
今のリュカさんを見たら、どんな世界の大魔王だって逃げ出すだろう。

「おいウルフ……コイツ等の処刑は、コイツ等の家族の処刑を見せてからだ!」
「はい……………はいぃ!? な、何言ってるんですかリュカさん? 先刻(さっき)正直に罪を認めたじゃないですか。国王に嘘を吐き続けたら家族も殺すって事だったでしょ? もう諦めて全部自白するんですから、家族にまで罰を与えなくて良いですよ!」

「国王に嘘を吐いたら家族も殺すと言ったんだ。嘘を吐いてたじゃないか! 『自分達はレイプはしてない』と言って、全国を調べると言ったら『本当はやりました』と嘘吐いてた事を認めた。だから当初に言ったとおり、家族も連罪にする。親・兄妹・子供・孫・祖父母……今すぐ全員逮捕しろ!」

「リュカさん……ちょっと落ち着いて下さい。彼等は軍の信頼を損なった罪と、国家の平和を乱した罪で、早急に処刑致します。これは陛下でなくても覆す事は出来ません。ですが……ですがですよ。家族は巻き込んじゃ拙いでしょう。グランバニアが恐怖によって礎を得ている印象になりかねません」

怒りが収まらないリュカさんは、勢いのまま権力を振りかざす発言を続ける。
アローは勿論だが、ビアンカさんまで顔を顰めて困ってる。
困ってないで、奥様からも言ってやってよ!

「リュ、リュカ……ダメよ家族に手を出しちゃ。彼等を公開処刑にするだけで、今後の教訓として人々の心に残るから……ね?」
「人々の心に残るなら、よりインパクトが強い
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