適材適所
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ョンは各々の得手不得手が見え隠れしてしまい、うまいこと決められない。
キンッ
「サード!!」
「ほい!!」
三遊間への鋭い当たりだったが、なぜかそこに希がおり難なくキャッチ。一塁へとスローイングする。
「ありゃ!!」
投げた瞬間そんな声が出た。真っ正面過ぎて雑になったのか、投げられたボールは中途半端なバウンドをしそうな高さになる。
「ほっ!!」
伸びてもギリギリ届くかどうかというボール。しかし、ことりはそれをショートバウンドで器用にキャッチした。その理由は、彼女がベッタリと両足を広げ、捕球位置を前にしたから。
「あれ捕ってくれたら守備は楽だよな」
内野手は捕ってからすぐに一塁に投げるため、握り変えの早さが重要になる。しかし、経験が浅い彼女たちは当然スローイングが荒れる傾向にある。そんな中ことりは、高い柔軟性を誇る体を目一杯使い、多少逸れたボールも次々キャッチしていく。
(ことりは肩は弱いけど、捕ってからが早いしボールの捕球技術もある。ギリギリでのバックホームも、あそこからなら十分間に合うか)
手元にあるホワイトボード。野球場のようなものが書かれたそれの一塁ベースの所に、『ことり』と名前を書き込む。
(ことりのファーストは決まったけど、にこがセカンドにいるとライトからのカットマンが弱いな・・・)
セカンドには強肩の選手を置くのが主流となっている現在。その理由はライトの頭を越された際、サードにボールを送るのにカットマンに入るのがセカンドであるため。カットマンは少ない方が持ち変え等の時間が短縮できるのだが、肩が弱いと間に二人挟まなければならなくなり、余計な時間がかかってしまう。
カーンッ
「よっと!!」
センター前に向けるかと思われた当たりをギリギリ追い付いたにこ。彼女は右足で飛び上がると、一塁のことりにジャンピングスロー。それも、胸元にキチッとストライクで送球する。
(あいつ、見せるの好きだよなぁ・・・!!)
目立ちたがり屋の気があるにこを見て苦笑いを浮かべていた剛は、あることが思い付き、ベンチに帰ってきた面々にさらなる指示を出す。
「次からにこがサード、凛がセカンド、希がセンターに入って。それと絵里と海未を入れ換えで」
二回を無失点に抑えた海未をあっさりと替えるその采配に疑問を抱きながらも、監督からの指示なのだと納得させる面々。
八回の表、ことりがライト前にポトンッと打球を落とすと、穂乃果がレフト前にヒットで一、二塁のチャンス。そこで回ってきた凛に、剛が声をかける。
「見逃し三振でもいいからベルトより高いボールは振るな。それより低いのは自由にいけ」
「わかったニャ!!」
普通三振してもいいから見逃すなと言うのだが、あえてこの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ