第五幕その十二
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「でしたら」
「はい、今夜はですね」
「お邪魔させてもらいます」
「お邪魔なぞとんでもないです」
市長さんはジュリアに笑顔で言葉を返しました。
「この街に来て頂いた方ならですから」
「どなたもですか」
「はい、泊まって頂くので」
こうしたことになっているというのです。
「ですから遠慮なく」
「ホテルにですね」
「泊まられてです」
そしてというのです。
「ゆっくりとお休み下さい」
「それでは」
ジュリアも頷いてでした、そうしてです。
皆はホテルに案内してもらいました、そこは五人の世界では文句なしに最高級と言っていい位のものでした。
そのホテルで案内してもらったお部屋は。
「うわ、これは」
「凄いなんてものじゃないよ」
「王宮の中にいるみたい」
「エメラルドの都にね」
「色は青だけれど」
緑の宮殿とは色こそ違うけれどです。
「同じ位凄いね」
「このお部屋で一泊なんだ」
「そうしていいんだ」
「お風呂も使っていいっていうし」
「朝御飯もなのね」
「ロイヤルスイートだね」
ここでモジャボロが言いました。
「このお部屋は」
「最上階にありますし」
「そのレベルのお部屋ですか」
「こんなお部屋用意してもらったなんて」
「悪いですね」
「そこまでしてもらって」
「まあそれは市長さんの好意だね」
ホテルの持ち主のその人のです。
「そこはね」
「凄いご好意ですね」
「こんなお部屋まで用意してもらって」
「悪い気がします」
「そこまで思ってしまいます」
「どうしても」
「まあそうしたことはあまり思わないでね」
モジャボロは遠慮する五人に言いました。
「このご好意を受けて」
「今日はこのお部屋で皆で休みましょう」
ジュリアもにこりと笑って五人に言いました。
「ゆっくりとね、そしてね」
「朝もですね」
「美味しい朝御飯を食べて」
「そのうえで街を出て」
「明日も元気よくですね」
「冒険よ、朝御飯は」
ここでジュリアは部屋の机にあったホテルのスケジュールを確認しました、そこには朝御飯は日の出と共にと書いてありました。
「早いわ、日の出と共にだよ」
「随分早いね」
モジャボロはジュリアの言葉を聞いて応えました。
「ここのホテルは」
「そうよね」
「それに起こしてもらえるし」
モジャボロもスケジュールを見て言いました。
「いいホテルだね」
「そうね、じゃあね」
「うん、日の出と共に朝御飯を食べて」
「お風呂にも入って」
「そうして休もう」
「ええ、そうしましょう」
二人でこうお話しました、そしてです。
ジュリア達七人は天幕付きの羽毛ベッドの中でぐっすりと寝ました、かかしと木樵、ジャックは夜の間三人でソファーに座って
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