第五幕その十一
[8]前話 [2]次話
「お礼をしたけれど」
「そのお礼にお礼を返されるとね」
「どうしたものかってなるよね」
「僕達は手伝ってくれたお礼をしたからね」
「それがあのバーベキューでね」
「それで終わったと思ったんだけれど」
「ですから」
ジュリアも市長さんにお話します。
「もう」
「いえいえ、違います」
「違うとは」
「はい、これは私の好意です」
そうだというのです。
「ですから」
「だからですか」
「はい、そのホテルは私のホテルでして」
「市長さんの」
「そうです、私がこの街に来た人とお泊めする」
「そうしたホテルですか」
「先程のバーベキューとは別です」
そこは保証するのでした。
「ですからご安心を」
「お礼やそういうのではなくて」
「私の純粋な好意です」
それに基づくものだというのです。
「ただ単なる」
「そうですか」
「はい、ですから」
「そのホテルにですね」
「お泊り下さい、晩御飯はもう終わりましたが」
それでもというのです。
「まだありますね」
「お風呂とですね」
「そうです、ホテルのお風呂は素晴らしいですよ」
市長さんはジュリアににこりと笑ってお話しました。
「これ以上はないまでに」
「お風呂が」
「そして朝食も出ます」
こちらのお話もするのでした。
「ですからどうでしょうか」
「ホテルにですね」
「はい、今晩は」
こうお話するのでした。
「それでどうでしょうか」
「そうですね」
ジュリアは市長さんのお言葉に少し考えるお顔になりました、そのうえで皆と少しお話をすることにしました。
「どうしようかしら」
「お礼じゃないっていうしね」
「ご好意ならね」
「それにこの街に来た人はっていうし」
「それならね」
かかしと木樵、ジャック、モジャボロはそれぞれ答えました。
「いいんじゃないかな」
「そうした決まりっぽいしね」
「それにご好意を無下に断っても悪いし」
「折角だから」
「そうね、それじゃあ貴方達は」
ジュリアは今度は五人に尋ねました。
「どう思うかしら」
「はい、僕達もです」
「いいんじゃないかなって」
「お礼にお礼はどうかって思いますけれど」
「折角のお誘いでしたら」
「それなら」
「わかったわ、貴方達もそう言うのなら」
皆賛成だとなってでした、ジュリアは市長さんにあらためて応えました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ