チームの柱
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も勝ったよ!!」
ランナーコーチやバット引きで手伝うために付いてきてくれたヒデコたちに嬉しそうにグーを見せて笑顔を見せる穂乃果。それを受け剛が試合前最後のミーティングを行う。
「今日は初めての試合だから特に何も気にしなくていいよ。ただ、ポジションだけは動かすかもしれないから、そこだけは肝に命じておいてくれ」
サインプレーも特に行うつもりはないようで、簡単な話だけで済ませる。それからしばし間を置いて、両校整列を行い、一礼して試合へと入っていく。
「よーし!!頑張るぞぉ!!」
整列から戻ってくると、ヘルメットを被り相手の投球練習を行っている投手に合わせてバットを振る穂乃果。元気いっぱいのその姿に、ベンチにいる面々はにやけてしまっている。
「穂乃果!!先頭大事よ!!」
「ボールを見て振ってくださいよ!!」
「穂乃果ちゃん頑張れ!!」
ベンチから各々声を出していく。そんな中、一人の少女がボソッと皆触れなかった話題を口にする。
「なんで穂乃果が一番なのかしら?」
全員心のどこかで考えていた疑問。それをつい真姫が口走ったことで、盛り上がっていたベンチが一転、静まり返る。
「真姫ちゃん!!そんなこと言っちゃダメだよ!!」
「だっておかしいでしょ!?一番っていったら足が速いとか出塁率が高いとか、そう言う人がいる打順じゃない」
穂乃果の足は決して遅くはない。だが、このチームには凛、海未、絵里という運動神経抜群の少女たちがいるため、穂乃果よりも適している者もいるんじゃないかと思っていた。他の面々もそう思うところがあったため、その言葉に何も言えなくなる。
「何言ってんの。ちゃんとこの打順には意味があるのよ」
「何よ。その意味って」
沈黙を破ったのはまだ順番は先なのにバッティング手袋をはめてやる気満々のにこ。彼女はベンチの一番前に立つと、全員を顔を見る。
「いい!!この打順は剛さんが東日本学園で培ってきた“適性方式”が使われているわ」
「適性方式?」
「そう!!まずは一番!!剛さんは一年生の秋からずっと一番バッターを務めてきたの。東日本学園の一番の役割は“チームに勢い”を与えること!!このチームで勢いを与えられるのはキャプテンでもある穂乃果!!剛さんは守備の要であるキャッチャーと最重要打順である一番を穂乃果に任せて、チームの柱にしようとしてるのよ!!」
剛の狙いを完璧に汲み取っているにこに思わず拍手しそうになった彼は、平静を装いつつグラウンドを見つめる。間もなく試合が始まろうとしているのだが、にこはお構い無しで話を続ける。
「一番が基本から外れている分、二番にはあえて一番打者の特徴を持つ選手を置いているわ!!続いて三番!!東日本学園は“三番打者最強説”を唱えている学校なの!!
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