チームの柱
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」
野球ファンならではのうんちくを得意気に語る少女の言葉を聞き流しつつ、ゆっくりと体をほぐしていく。そんな中、みんなから離れたところから大きな悲鳴が聞こえてきた。
「行っくニャ〜!!」
「ダ!!ダレカタスケテー!!」
幼馴染みに手首を掴まれずっと走り回されているエースは、涙目になりながら助けを求め叫んでいた。
「凛!!アップは個人の体調に合わせてっていったでしょ!!」
「ごめん絵里ちゃん」
ようやく解放された花陽は呼吸を大きく乱し、膝に手を付いている。そんな彼女にことりがペットボトルを差し出す。
「大丈夫?花陽ちゃん」
「あ・・・ありがとうことりちゃん」
青くなっている顔を上げペットボトルを受け取る。それから数十分間各々でアップを行い、最後に数種類のダッシュを行うと、ちょうど一試合目が終わったらしく、ベンチに入るように促された。
「道具出してスパイク履いたらすぐにキャッチボールしろ。10分後にオーダー発表したらすぐシートノックに入るぞ」
「「「「「はい!!」」」」」
ノックバットでボールをリフティングしながら指示を出す。少女たちは言われた通りにキャッチボールまで終えると、ベンチ前に集められた。
「一試合目のオーダー発表します。シートノックはそのポジションに入ってくれ」
「「「「「はい!!」」」」」
試合までの練習期間の間、とにかく様々なポジションを練習してきた彼女たちは、誰がどこのポジションをやるのかまだ知らされていない。かなり急だったこともあり剛も手探りな状態だが、現時点で一番理想だと思われるオーダーを組んだ。
打順 守備 名前 投打
一番 捕手 穂乃果 右左
二番 遊撃手 凛 右左
三番 二塁手 絵里 右右
四番 一塁手 真姫 右左
五番 右翼手 希 右右
六番 三塁手 海未 右左
七番 中堅手 にこ 右右
八番 投手 花陽 右右
九番 左翼手 ことり 右左
「じゃあすぐにシートノック入れ。やり方は昨日やった通りで行くぞ」
「「「「「はい!!」」」」」
早速ベンチ前に並び、守備へと散っていく九人。まずは各ベースに二、三人ずつ入り時計回りと半時計回りに2周ずつ、本塁〜二塁〜一塁〜三塁〜本塁、本塁〜三塁〜一塁〜二塁〜本塁とボール回しをし、守備へと散る。それから内野ノックと外野ノックを順々に行っていき、最後にキャッチャーフライでシートノックをしめた。
「穂乃果、先攻後攻決めてきてくれ」
「どっちにしますか?」
「先攻にしてくれ」
オーダー表と試合球2つを持ってバックネット前に走っていく穂乃果。彼女はじゃんけんを終えると、すぐさまベンチへと戻ってきた。
「どうだった?」
「先攻!!じゃんけん
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