第17話 知らぬはラミディアばかりなり
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ました」
「ほう、そちの眼鏡に叶う令嬢が見つかったか、してそれは何処の娘じゃ?」
知っているにもかかわらず、興味のあるように皇太子に質問する陛下は相当な狸である。
「はい、ファーレンハイト男爵家令嬢ラミディアと申します」
「ふむ。男爵家では皇太子妃として相応しき身分とは言えぬのでは無いか?」
「その様な事はございません。陛下もラミディアの為人をご覧になれば御憂慮もお消えになるでしょう」
此処で皇帝に拒否されたら困るため皇太子も必死でラミディアの良い点をアピールする。
「ふむ。確かに以前の宴で会った事があるが、聡明そうな娘であったな」
「でございましょう、それで国務尚書に頼んで養女にし、リヒテンラーデ侯爵家令嬢として入内させたく存じます」
「国務尚書、その様にしたとして他の者達が騒ぎ出すのではないか?」
リヒテンラーデ侯は皇帝の言葉にそろそろブラウンシュヴァイク公を呼ぶ時期と判ったようでその様な返答を行う。
「陛下、ファーレンハイト男爵家についてブラウンシュヴァイク公が言上したき事があるそうに御座います」
「そうか、ではブラウンシュヴァイクを呼ぶがよい」
「御意」
その言葉に皇太子は些か嫌そうな顔をしたが、陛下の面前で拒否するわけにも行かないために何も言う事がなかった。
暫し待つとブラウンシュヴァイク公が謁見の間へ案内されてきた。
「皇帝陛下にはご機嫌麗しく」
「うむ、公はファーレンハイト男爵家について何か話があるそうじゃが?」
ファーレンハイト男爵家の赤貧さをアピールしラミディアの皇太子妃への道を潰すつもりかとの皇太子の考えとは全く違う話しであった。
「はい、身内の恥をさらすわけでは御座いませんが、我が父エーリッヒには以前メイドに手を出し子が出来た事が御座います」
「なんと、あのエーリッヒがのー、真面目だと思うたが、あの者も男であったか」
自分が思っていた話しと違い、そんな話しをしている皇帝とブラウンシュヴァイク公を呆気に取られながら皇太子は見ている。
「そのメイドはファーレンハイト男爵家の令嬢で御座いましたが、妊娠後実家へと宿下がりの後娘を出産後に身罷りました。その為に我が家で育てるにも不憫で男爵夫妻が育てる事と成りました。この度その娘を我が家にひきとる事と相成りました」
その言葉に皇太子の表情が変わった。
「ふむ、ファーレンハイト男爵家令嬢と言えば、3名おるはずじゃが、してだれ何じゃ?」
「はっ、次女のラミディアと申します」
「公爵、それは本当であろうか?ラミディア嬢がブラウンシュヴァイク公爵家の娘というのは?」
驚いた皇太子が陛下の御前であるにも係わらず、ブラウンシュヴァイク公に詰め寄る。
「事実に御座います。恐れ多くもラミディアの事を殿下が后にお求
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