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色を無くしたこの世界で
第一章 ハジマリ
第22話 獣の様な男
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ど……君、ふざけてるの?」
「おや、バレましたか」

 鋭く目を尖らせ、自らを睨み続けるフェイの言葉に「スミマセン」とからかう様に笑うスキア。
 その笑い声が緊張状態に入った三人のカンに障り、不快にさせた。

「でも、そうですね……本当に帰らないと述べられるのであれば……
 ――――――こちらも、強行手段に出るしかありません」

 スキアはそう呟くと、今まで閉じていた瞳を開く。
 バランスの合わない大きな頭に付けられた、猫の様に大きな瞳の不気味さにフェイ達三人が言い表し様の無い恐怖に駆られた
 次の瞬間。

「え………………ッ」

 ほんの一瞬。たった一瞬の瞬きの後に見えたその光景に、三人は目を見開き、絶句した。
 今まで自分達がいた、稲妻町とは違う。

 ざわめく灰色の木々。
 怪しく光る白い太陽。
 黒く沈んだ土の地面。

 自分達が見た事も無い様な……それでいて、見覚えのあるこの景色……

「何だコレは……」
「町が…………ッ」

 そこは色が抜け、モノクロ色で染め上げられた
 稲妻町、その物だった。

「スキア……ッお前……ッ!」
「良いですねぇ……その反応。そこまで驚いてくれると、頑張って造ったかいがありましたよ」
「! "造った"……?」

 スキアの言葉にフェイが反応する。

「そうですよ。ここは私の力で生み出した影の世界…………アナタ方の良く知る、稲妻町に良く似せた、全くの別空間でございます」
「何だと!?」

 今度はワンダバが、スキアに向かい声を上げる。
 その声は明らかに動揺が混じった、荒げた声だった。

「この世に存在する全ての物について回る、影と言う存在…………私はそれを意のままに操る力があります。そして、この空間はその内の一つ『影模造』によって造り出した本物ソックリの偽物……云わば"模造品"でございます」

 そう言われ、フェイは再度周りの光景を良く見てみる。
 言われてみれば確かに……見た目こそソックリではあるが、温度や触感までは作り込めないのか、金属特有のひんやりとした冷たさやツルツルとした手触りすら、感じ取ることが出来ないでいる。

(何だか……変な感触だな…………)
「さて…………」
「!」

 スキアの声に、フェイは再度上空へと視線を移す。
 スキアはと言うともう必要が無くなったのか、差していた傘を閉じ、空中を歩く様にしてこちらに近づいて来た。

「言わなくても分かると思いますが、元の世界に戻る為には私と勝負してもらう必要があります」
「…………勝負…………?」
「サッカーバトルって事か……」

 そう、少し不思議そうに唱えたアステリの隣でフェイがそう呟く。
 その言葉に目の前の黒い存在はその大きな頭を縦
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