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異世界に転生したら、強くてニューゲームでした。(編集中)
お父様
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またもや溢れかえる花の匂いが、居間に充満した。お母様が、昨日これを見てるからびっくりしないのは分かるんだけど、お父様が驚かないのはなんでだろう。2人とも、真剣な顔で魔法陣を見つめている。
やがて、花に埋もれた小さな木龍が現れた。大きな、クリッとした目が、僕らと居間をキョロキョロ見渡す。まだ肌が硬化しきっておらず、少し羽毛が生えている体にも、いたるところに花はくっついていて、愛らしい。
お父様は、木龍をソファーから見ていたが、やがて立ち上がり、おもむろに近付いた。1mほど離れたところで止まり、しげしげと眺める。また近づいて、その体を撫でた。
(ああっ、僕が一番に撫でたかったのに……)
木龍の方はというと、人間やエルフが珍しく見えたのか、キョロキョロするのはやめ、僕らを見ている。
存分に木龍を撫でた後、お父様は木龍を消してしまった。
(だから、僕も撫でたかったのに…)
そして、話し始めた。
ーーー本来、魔法を学び、使い始めるのは、初等学校に入学する6歳かららしい。
それを、僕は誰にも習わずに、木龍を召喚してしまった。木龍は、魔力も知力も高い魔獣で、召喚するにも膨大な魔力を必要とするーー。
ここまで聞いて、僕は後悔した。そんなことを幼いうちにやってしまったら、お父様やお母様に不審に思われたかもしれない。バレることはないと思うけれど、ドキドキして仕方がなかった。
お父様の話は、まだ終わってない。
子どものうちに、こんなに高い魔力を発現させる子は珍しい。今のうちに稽古をつけ、より魔力の成長を図るというのだ。
そのとき知ったんだけど、魔力は努力次第でメキメキ上がるものらしい。前世でかじった異世界チートもののラノベでは、無限の魔力を持った女の子が無双していて、その子以外は生まれ持った魔力しかないように描かれていた。読んだ小説のオリジナル設定だったのかな?
いろいろ(主に僕の心中で)あったけど、僕も稽古をつけてもらえることになった。そこは、素直に嬉しいな。話し終わると、お父様は頭を撫でてくれて…。
ーー僕は、舞い上がってて気づけなかった。
僕を見るお父様の目が、前と変わってしまったことに。
でも、そのときの僕は本当に嬉しかったんだ。怖いと思ってたお父様と話せて、頭も撫でてもらって。おまけに、稽古までつけてもらえる。
このとき、既に世界を滅ぼしかねない陰謀に巻き込まれてしまっていたことに、気付ける訳がなかった。
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