記憶の断片
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
あるショウが行くはずだったがそれをかばおうとしたエルザを更にかばったアルマ、君が懲罰房送りとなり左眼を失った。」
俺は確かに左眼の色が右眼とは異なっている。
だが左眼は義眼では無い。
「だが、君の左眼は義眼ではないだろう?」
「あぁ……。」
「それはエルザ達が何とか治そうと傍にいた魔導士に頼み治してもらったんだ、だが何故か色が違ったみたいだがな。」
そう言うとジェラールは下に降りてきた。
「2回目の反乱はエルザが懲罰房送りにされた俺を救うために立ち上がった。その時にエルザは魔法を覚醒させ、君は戦って上にいた俺のもとに来てくれた。」
「………っ。」
話を聞くにつれ、頭痛が始まる。
痛みは弱まるどころか増していく。
「だが、暴走したRシステムは爆発を余儀なくされた。その時アルマ、君は自分の記憶を代償にその爆発をこの塔だけに止めたんだ。」
俺はそれを聞いた時、半信半疑だった。
自分の魔法でそんな事が可能なのかさえも知らない。
「そう簡単に信じられないと思う、だが俺は目の前でみた。君は俺達を救ってくれた、仲間をだ。」
ジェラールはそう言うと歩を進め、俺はついていく。
「俺と君は相棒だった、君に出会って俺には出来ないと思っていた事が出来るかもしれないと可能性が見えた。今だってそうだ、あの時得られなかった本当の自由を俺は手に入れたい。そうすれば、誰も苦しまなくて済む。
俺達のように苦しく、辛い過去を持つ人が減る。
だから、もう1度俺に力を貸してくれないか相棒。」
ついていった先はこの塔の最上階で、たくさんのラクリマに埋め尽くされ真っ直ぐと道があり、真ん中にはその儀式が出来るようになっていた。
俺とジェラールは今、その場に立ちジェラールが俺に手を伸ばしている。
『もう1度俺に力を貸してくれないか相棒。』
──彼が言っている事は本当なのか?
俺の記憶が無いことを使って、何かを企んでいるのか?
それとも本当に彼とは相棒と呼び合う中だったのか?
分からない…。
俺はその手を握っていいのかが分からなかった。
頭痛は更に酷くなり、立っているのも辛くなってきている。
「相棒、まだ思い出せないのか?」
「……ジェラール、君が言っていることは本当なのか?」
「あぁ、信頼できる君に俺の名をあげたんだ。」
「名をあげた…?」
ジェラールは頷き、次に発した言葉がその瞬間に記憶の断片と重なった。
「『じゃあ今日から君の名は、アルマ・フェルナンデス。俺の家に伝われている信頼できる相棒と認めた人に名前をあげるんだ。』とな。」
それは、俺が本当の名前を口に出すことをファルージャに止められていたため言えなかった
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ