暁 ~小説投稿サイト~
魔法少女リリカルなのはStrikerS ~困った時の機械ネコ~
第2章 『ネコは三月を』
第37話 『ご存知なので』
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「……シスター・シャッハ?」
「ち、違うんです! あの後、弁解しにって、犯人も捕まって、あ、いや、先に犯人を捕まえてその後釈放で……あと、凶器扱いで傘も取り上げられてまして……」


 あわてすぎてて、釈放は後回しにされ、逮捕後に彼は釈放されたらしい。


「……それで?」
「それで、私は向こうが一度連行されているので名前を知ることができたんですが」
「あなたの名前をコタロウは知らないと」
「……はい。あ、いやでも、間接的にシスター・シャッハとは」
「謝罪はされたんですよね?」






――『証言、ありがとうございました』
――『いえそんな、私のほうこそ』
――『なんとお礼を申し上げていいのか。それとこの傘も』
――『あの、謝るのはわた――』
――『そして、度重なる失礼をしなければなりません、実は急いでいまして……』






「……シスター・シャッハ、それは……」
「ち、違うんです! どうも、拘留されたために時間がなくなってしまったらしく」

 二度目の否定は最初よりも小さくなっていた。そして、この時傘が大変大事なものであるということを聞いたらしい。
 眼下のスバルたちなら間違いなく大きなため息をつく内容であった。シグナムは整理するために少し考え、


「つまり、貴女の勘違いで捕まりそうになった彼は、そのさらに勘違いで本当に連行、拘留され」
「……」
「それで、犯人を捕まえて彼を釈放させて自分の勘違いで拘留された事を謝罪しようとしたが、逆に感謝されてしまったと」
「……はい」


 もう言わないでくださいといわんばかりにうなだれている。


「あの、普通なら『証言、ありがとうございました』なんて私に対する嫌味じゃないですか。それは言われても仕方ないですし、言われたほうがすっきりするんですけど」


 なんとか話し出すが、


「でもそれは」
「そうなんです。顔には出ませんでしたが、本当に感謝の念を込めて『ありがとうございます』って言われたんです」


 シグナムはそうだろうと頷く。


「だから多分、私は彼には『犯人を捕まえ、自分の釈放のために尽力してくれて、さらに傘も取り返してくれた人』だと思われてると思うんです」
「それは間違いないと思います」
「う……ですよね」


 それで、とシャッハはさらに、


「一応、別れ際に連絡先をメモ書きでいただいたんですが、そのまま仕事に行ったところ途中で雨が、その、降って、しまって……文字がにじんで、ですね、連絡先がよめなくなりまして、タ(ta)かト(to)かも――」
「それでコトローと」
「あう……はい……」


 メモ書きを自分の不注意でダメにしてしまったことを吐露し
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