暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第37話 『ご存知なので』
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「それに、あの傘がデバイスなんて分からなかったし、魔法なんて使わなかったって。あ、あとその人、男の人だって」
「……んと、はい」


 セインが手を上げる。


「ガリューさんはその人間と戦ったんですか?」
「うん」


 一拍おいて、これ。と映像を見せると、


「気づいたら転ばされて、踏み抜かれたって。それで私が転移させて退避させたの」
『……』


 全員の顔が驚きに変わった。ガリューの腹部の装甲を破り、くっきり足跡が残されていた。


「とりあえず、分かったのは、えーと」


 セインが頭をフル回転させてなんとかまとめようとする。


「……目が良くて、力があって、魔力が弱くて、でも制御はうまくて、傘を持った、片腕の男?」
『……』
「だって、それしか言い方ないじゃんか〜」


 みんなが呆れ顔でセインをみると、ぶーぶーと不満をあらわにした。


「まあ、でもそれしか言いようないか」


 ね、そうでしょ? とセインが胸を張る。それ以外に言いようがないのが納得できないが、実際そうなのだ。男の不明点が多すぎる。顔が分からないうえ、エース級の評判があるわけではないし、特別魔力が高いわけではないし、特殊な能力を持っているわけでもない。さらに過去の有名な事件に関わっているわけでもない。情報があまりにも少ないのに、ガリューを打ち据え、ヘヴィバレルを割いたという事実。


「この男を調べる方法はないの?」
「ないことはないけどぉ」


 クアットロは眉根を寄せた。


「六課にハッキングする労力と今やらなければならないことを考えるとねぇ。やったのはすごいことだけど、私たちの興味とは今は関係ないことでしょ〜?」
「当たり前だ」


 クアットロ、トーレも興味はあるが私的な好奇心をドクターの願いより上にすることはなかった。


「確かに、そーだけど」
「……次ぎ会ったら、確実に撃ち抜く」
「そゆこと、今度果たせばいいのよぉ」


 ひとしきり考えた後、技に磨きをかければよいという考えに至り、この話題は流れた。
 しばらくの間、クアットロとディエチは納得のできない顔をしていたが、ウーノと呼ばれる女性の険しい顔によってしゅんと肩を下ろすしかなかった。






△▽△▽△▽△▽△▽






 ヴィータたちよりも高い位置から見下ろしているシグナムと隣のシャッハ・ヌエラは問題なさそうなやり取りを遠目から見守り安堵する。


「我々の出番はどうやらなくなったようですね」
「任務は無事完了のようです。喜ぶとしましょう」


 そういうと二人は武器を納めた。ただ、それから思い出したようにシャッハは「あ」と
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