暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第37話 『ご存知なので』
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ードしてるけど、本人自体の魔力は武装局員にはなれないものしか持ち合わせてないわ」
ぎりぎり数値化できるくらいと説明する。
「ここでこの人間がやったのは」
コマ送りで映像を進め、
「当たる瞬間にこの
傘
(
デバイス
)
に内包してある魔力を僅かに使い、バレルをはじく堅牢なものを瞬時に生成したということなのよぉ」
説明をしているクアットロは口調とは裏腹に表情が険しい。
「この人間がやったのは、どんなに魔力が小さい人間でも、さっきの三点をクリアすればディエチちゃんのISを幾度となく防ぐことができる証明をしてみせたのぉ」
声色が段々荒々しくなっていった。
「局には」
「いるわけないでしょこんなの。私も最初は理論上は可能だと思ったけど、考えて解析すればするほど実現不可能だと結論づけたんだからぁ」
さらによ。と続ける。
「さっきの三点をクリアしても、実行すればデバイスは使い物にならなくなるはずよ。なのにこのデバイス、終わった後もまるで傷ついた形跡がないの。もちろん、遠目で画質が粗いからまるでという表現は間違いだけど」
「……」
「……んとさあ、クア姉さんのことだからほかの視点のもあるんでしょ? 下から見ればバイザーの中の顔が見れるんじゃ」
「もちろん、やってるわよ?」
なら。とセインはクアットロを気遣うが。
「デジタルだとジャミングが入る特殊なバイザーだったわ。私たち目視ではできるけど、機械を通すとジャミングが入って表情がわからないようになってるの」
忌々しいといわんばかりの顔をしている。その時、背後で気配がするのを感じて振り向くと、
「……ルーお嬢様?」
「その人、知ってるかも」
「お嬢様、どちらで?」
ディエチとクアットロがルーテシアの発言にぱちくりと目をしばたいた。
「でも、そのひと傘は持ってたけど、左腕がなかったって。ガリューが」
「ガリューが?」
こくりと少女は頷く。
そして、もう一度目をモニターに向けると、その人間の着ている服装は袖が長く、隠しているようにも、無いようにもみえる。
「……ちょっとまっててくださいねぇ」
クアットロはキーを叩くと、映像が反転する。
「左腕、ないわねぇ」
生体反応を軸に切り替えたようだ。
「ということは、お嬢は、いえ、ガリューは顔を見たことあると?」
「うん」
「ど、どんな顔でしたか?」
「……見たのガリュー」
トーレの質問で、見たのはガリューであるというのは焦って聞くディエチには耳に入っていないらしく、顔立ちを聞くが、少女は冷静に映像は残っていないと答えた。
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