暁 〜小説投稿サイト〜
リュカ伝の外伝
純粋な心の青少年と汚れた大人達の物語
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です。

ティミー殿下とウルフ閣下には何度かお目に掛かった事があるのですが、奥様と娘さんには初めてです。
殿下が抱いてる娘さんを紹介された時、素直に『アミーちゃんと言うんですか。凄く可愛い女の子ですね』って感想を言ったら、最初は笑顔で『ありがとう』って仰ったんですけど、直後に『嫁にはやらん!』と言われました。

何のことかポカンとしてると、奥様が『ルディー君が驚いてるでしょ!』て後頭部を叩いてました。
殿下に対してそんな事して良いのかと驚いてると、ウルフ閣下も『本当……あんたキモいわぁ〜』と白い目で見ながら言いました。なんか大丈夫みたいですね。

そうそう絵を見て憧れてたデイジーは、最初こそ恥ずかしがって僕の後ろに隠れてたんですけど、マリーさんが『貴女凄い格好ね。そのままステージに立って歌うこと出来るんじゃないの?』と言われ、彼女に教えられるがまま歌を歌ってます。

最初は僕等だけの為に来てくれてたマリー&ピエッサですが、ウルフ閣下が『こんな少人数の為だけに俺がルーラを使うのはもったない。ルドマンさん、今すぐ町の人々を集めてコンサートを開きましょうよ』と提案!
凄い吃驚です。

でも一番吃驚なのは『ちょっとぉ〜……私の歌は安くないのよ。これ(親指と人差し指で輪を作り、お金を意味してる)は大丈夫なのぉ?』って残念な事を言うマリーさんだ。
もうちょっと懐の広い女性かと思ってたのに……

でも流石はウルフ閣下だ。
『馬鹿だな。ここは通商国家で商業の中心地だぞ。無償で歌を披露して、世界中に評判を広めて貰えれば、長い目で見て大いなる利益になるだろうが』とマリーさんを説得。

確かにその通りだと言う事で、急遽ステージを屋敷の前に設置。
いきなり歌えと言われて歌える物なのか疑問だったけど、マリーさんも軽く歌い、ピアノを弾くピエッサさんも動じることなく演奏をする。

全ての曲目が終わり、僕の感想は……
凄い! 凄く良い!!
今まで聞いた事のないリズムに、感動出来る歌詞。

それらを綺麗に融合させるピエッサさんのピアノ伴奏と、全てを完成させるマリーさんの綺麗な歌声。
ウルフ閣下の絵は、まさにそのままを描いた凄い絵だけど、やはり音楽が加わると芸術性が格段に向上する。
デイジーはお二人の大ファンになってしまった。

でも僕はウルフ閣下の大ファンになってしまった。
だってコンサートが終わって屋敷に入ると、そこには大きな絵が置いてあり、皆がコンサートに夢中になってる間に書き上げた、僕等(僕・デイジー)がマリー&ピエッサと一緒にピアノの前に居る絵なのだ。

これは僕にだけでなく、デイジーにも思い出に残る一枚となるだろう。
あの恥ずかしがり屋なデイジーが、屋敷で待ってたウルフ閣下に抱き付くくらいなのだから。
|先刻《さ
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