先輩禁止
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不敵な笑いを浮かべる少女。そして、彼女はこう言い放った。
「上下関係なんか、なくしちゃいましょ」
「「「「「えぇ!?」」」」」
天王寺のルールのさらに上を行く絵里の提案。下級生たちは本当にそんなことしていいのかと不安げだが、三年生たちはわりと乗り気だ。
「ええやん!!その方がみんなと仲良くなれそうやし」
「まぁ天王寺先生が言うなら仕方ないわよねぇ」
チーム合流が遅れたことやそれまでの接し方から後輩たちに怖がられているように感じていた絵里や希はこれを期に仲良くなろうと考え、にこは尊敬している天王寺の言葉とあって、絵里の考えに乗り気な様子。
「じゃあ早速やってみましょう、穂乃果」
「は!!はい!!えっと・・・絵里ちゃん」
ちゃん付けに満足げな表情を浮かべる提案者。それを見て次々に皆相手の名前を呼んでいく。
「凛も!!ことりちゃん・・・」
「はい!!凛ちゃん」
「えっと・・・希先p・・・」
「あれれ?海未ちゃん呼び方が違うよ?」
「/////!!の・・・希!!」
「はい、よろしい」
予想していたものとはかなり異なるが、結果としていい方向に向かっているようなのでとりあえずいいかといった表情の天王寺。だが、この火花が自分にまで降りかかるとは想定していなかった。
「じゃ・・・じゃあ私、先生のこと剛さんって呼んでもいいですか?」
「は?」
緊張しすぎたのか、それとも狙っていたのかはわからないが花陽からそんなことを言われ固まる天王寺。しかし、他の者たちが有無を言わせぬようにどんどん乗っかってくる。
「せやね!!剛っちもチームの仲間なんやし!!」
「そうニャそうニャ!!」
「私は元々剛くんって呼ぶつもりだったし」
「あ!!それいい!!穂乃果もそう呼ぼっと!!」
「じゃあことりも」
「この場合呼び捨てでもいいのでしょうか?」
「偉大な剛さんを呼び捨ては許さないわよ」
どんどん話が進んでいき、自分の意見など言わせてもらえそうにないことにようやく気が付いた。
「・・・言い出したのは俺だしな。それくらいならいいよ」
「「「「「やったぁ!!」」」」」
内心面倒くさいと思っているとは口が裂けても言えない。それに生徒に好かれるのは教師として悪い気がしないので、彼女たちの無茶苦茶な意見も受けることにした。
「あと、剛くんも私たちのこと名前で呼んでくださいね」
「その方が距離感も縮まりますしね」
「わかったわかった」
薄々そうなるだろうとは思っていたし、今まで野球をしてきた中でずっと監督に名前で呼ばれていたので、その方がいいだろうと思っていた剛。彼は期待の眼差しを向けてくる少女たち一人一人に視線を配る。
「穂乃果、海未、ことり、花陽、凛、真姫、にこ、希、絵里
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