第七章
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のはね」
そのことについてだ。桶谷先生はこう言ったのだった。
「やっぱり一途な想いなんだね」
「それですか」
「うん。確かに井上は一歩間違えればストーカーだったけれど」
「それでも純粋ですからね」
「だから自分の恋を実らせたんだよ。けれど」
だが、だとだ。桶谷先生は今度は苦笑いになってだ。首を振りながらこうも言った。
「あいつ本当に周りが全然気付いていないと思っていたかな」
「そうみたいですね」
「全く。あんなにわかりやすい奴はいなかったけれどね」
「ですが本人はですね」
「恋は盲目だね」
先生はここで今回の結論を出した。
「周りも何も見えなくなるね」
「だから気付かなかったのですか、井上君は」
「そうみたいだね」
こう言ってだ。桶谷先生もだ。
二人、特に徹を見るのだった。それは決して厳しい目ではなく優しい暖かい目だった。その目でずっと見守るのだった。とてもわかりやすい彼を。
実は丸わかり 完
2012・5・3
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