第32話
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「………オレも指揮下に入る事に賛成だ。みんなにも指揮下に入る事に賛成である”理由”があるように、オレもオレ自身の”理由”がある。」
「へ……ガイウス自身の”理由”……?」
ガイウスの答えを聞いたエリオットは不思議そうな表情でガイウスを見つめた。
「ノルドの地での特別実習の時にアリサ達にも話したが………オレがゼクス中将の推薦によって士官学院に入学した理由はノルドの”外”を知る為だ。」
「あ…………」
「……お前が愛する故郷であるノルド高原がいずれ”外”の大きな流れに巻き込まれる可能性があり得ると考え、故郷を守る為に”外の世界”を知る為だったな。」
ガイウスの説明を聞いてかつての出来事を思い出したアリサは呆けた声を出し、ユーシスは静かな表情で呟き
「なるほどね……”ノルド高原”を取り巻く状況を考えれば、ガイウス君がノルドの未来を不安に感じるのも当然と言えば当然だね……」
「”ノルド高原”はクロスベル自治州同様、共和国と領有権争いをしている状況ですからね……」
「はい………ノルド高原もクロスベル程の緊張状態では無いとはいえ、常に帝国軍と共和国軍がお互いを睨みあっている状況ですものね……」
オリヴァルト皇子とアルゼイド子爵の言葉に頷いたアルフィン皇女は辛そうな表情をした。
「という事はガイウスはトールズ士官学院に入学したようにメンフィル帝国―――”異世界”を知る為に、特務部隊の指揮下に入る事に賛成なのだな?」
「ああ。”百日戦役”と今回の戦争で大国であるエレボニア相手に圧倒的な勝利をしたメンフィル帝国……そして異世界に存在する多くの異種族達や宗教を始めとしたこのゼムリア大陸とは異なる異世界の”文化”……それらを知る為には特務部隊の指揮下に入った方がいいと思っている。」
「ガイウスさん………」
「まあ、特務部隊にはメンフィルの貴族や皇族もいるからメンフィルや異世界の事について詳しく知る絶好の機会でしょうね。」
「ハハ、プリネ姫達なら頼めば気軽に教えてくれると思うよ。」
ラウラの問いかけに頷いて答えたガイウスの説明を聞いたエマは驚き、静かな表情で呟いたセリーヌの言葉を聞いたオリヴァルト皇子は苦笑しながら答えた。
「その………みんなの話を聞いてよく考えてみたけど僕も賛成かな……指揮下に入らなかった時のデメリットがあまりにも大きい事もあるけど、ここで逃げたら音楽の道に進むことも許してくれた父さんに会わせる顔もないし、それに………クロウと2度と会う事もできないだろうしね。」
「あ………」
「クロウ………」
エリオットの話を聞いたトワとジョルジュはそれぞれ辛そうな表情である人物の顔を思い浮かべた。
「後はアリサだけだね〜。」
「…………
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