第16話 皇太子妃に成りそうだ!
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ーよ、ブラウンシュヴァイク公爵家の全力を持って皇太子殿下とラミディアの身辺を守るのだ」
「判りました。父上」
「クラウス、卿も頼むぞ」
「判って居るわ」
帝国暦482年8月1日
■オーディン ノイエ・サンスーシ フリードリヒ4世
エリザベートが婚約者を兄たちの保身のために失い悲観しているとグリンメルスハウゼンより聞いた時、儂はエリザベートを不憫と思い、後宮へと招く事にした。それ以前はアンゲリーカの悪行で国務尚書とブラウンシュヴァイクが、新たな寵姫を送り込もうとしておったが、あの娘は思案、行動力などを考えるに儂の後宮へ入るなど勿体なさ過ぎる娘でな。
エリザベートのような娘は後宮に入っても良いが、ラミディアは実力を発揮できる場所こそ相応しかろうと思い、宴でも素っ気なくしたのだ。しかし最近、ルードヴィヒがあの娘を気に入ったらしく、国務尚書に相談を持ちかけてきた。
あの娘は、ファーレンハイト男爵の子とされておるが、実際は前ブラウンシュヴァイク公の第三子だと、グリンメルスハウゼンが調べて来おった。儂の寵姫では、出来る事が無くなってしまうが、ルードヴィヒならば、あの娘の才能を充分に使えるはずで、儂としても許す気になった。
エリザベートを後宮に迎えたのは、アンゲリーカが良からぬ企みをしておるの事への牽制でもあるのでな、あの者がルードヴィヒに何かする前に、新寵姫で行動を出来辛くする計画なのだ。無論エリザベートやルードヴィヒやラミディアに危害を加えられないように、グリンメルスハウゼンに命じておるがな。
此からは、ルードヴィヒと共に歩んでくれるかも知れない、あの娘に期待したい物だ。ルードヴィヒは知らんが、孫ごと皇太子妃を暗殺されておるから、確りと守らせねばならん、ブラウンシュヴァイクもその旨は承知しておろう。
さて国務尚書とブラウンシュヴァイクがルードヴィヒと共に拝謁するとの事だ、そろそろぼんくら皇帝に相応しい態度に改めねばならん、ワインを掻っ込んで酔った振りも大変だが、此も儂の帝国の行く末を悲観した上の演技だから今更改める訳にも行くまい。
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