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銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏!
第16話 皇太子妃に成りそうだ!
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そこで、国務尚書に頼みが有ってな」
「いかなる事でございましょうか?」

「その令嬢は男爵家の出身でな」
その言葉を聞いたリヒテンラーデ侯は又かと言う感覚に腹の中であきれ果てていた。
「殿下、男爵家の令嬢では皇妃には成れませんぞ」

「其処なのだが、国務尚書の養女として貰えないだろうか?」
皇太子は頼み込むような顔でリヒテンラーデ侯を見る。
「殿下のお頼みとはいえ、身分の差が大きすぎます、上流貴族の方々の賛同も得られませんぞ」

「皆が常日頃から私に后をと申しておるではないか!それなのに私の自由も聞いてはくれないのか?」
「殿下、一平民の結婚ではございません、銀河帝国の次代を背負う御方の后を選ぶのですぞ、我が儘を言っている状態ではございません。前后様で我が儘をお通しに成ったのですから、又我が儘をとは、ご自分の立場をお考えください」

リヒテンラーデ侯は、一歩も引かずに諫言を行い説得をする。
その姿に皇太子もタジタジで有るが、引かずに頼み込む。
「国務尚書、その令嬢は心の強い令嬢なのだ、昨年の宴であのフレーゲル男爵を一撃で退散させた程の令嬢だ。あの姿こそ、我が后に相応しいと感じたのだ、しかも調べさせたが、素晴らしい才媛だぞ」

はて、幾多もある男爵家にその様な才媛が居たであろうかとリヒテンラーデ侯は考えて、2人程該当しそうな令嬢が頭に浮かぶのであった。一人はヴェストパーレ男爵令嬢、もう一人はラミディア嬢。まさかと思いながら殿下に聞いて見る事にした。

「殿下、その令嬢のお名前は何と仰るのですか?」
すると皇太子殿下は嬉しそうに名前をしゃべり出した。
「うむ、ファーレンハイト男爵家令嬢ラミディア殿だ」

リヒテンラーデ侯は思わず天を仰ぎたくなった。選りに選って寵姫計画のターゲットが陛下ではなく殿下に見初められたのだから、しかもブラウンシュヴァイク公爵の妹だ!この事が決まれば、リッテンハイム侯辺りが文句を言ってくるのではないか?

しかし、リッテンハイム侯はグリューネワルト伯爵夫人の後見人だ。それならば寵姫として送るより、遙かに権限の大きい皇太子妃の方が良いのでは無いかと。リヒテンラーデ侯の灰色の脳細胞は年にもかかわらず、冷静に計算を行い続けて結論を出し得た、此は好機だと。

皇太子殿下の后が、ブラウンシュヴァイク公爵家から出れば、皇太子殿下の後見人はブラウンシュヴァイク公爵となる、此ならば皇太子殿下の後ろ盾が強力になり、ブラウンシュヴァイク公も娘のエリザベート殿を皇位に就けようとする野心すら無くすであろうと。

「皇太子殿下、ファーレンハイト令嬢のことならば臣も知っております、中々に優れた人物と評判です」
皇太子はそれを聞いて我が事のように笑顔で頷く。
「であろう、ラミディア嬢であれば、帝室の為にも
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