第十七話「悪魔の子」
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の姿であった。
「が、ガン……ダム!?」
一夏は、目を丸く見開いた。
「ま、まさか……!?」
ジュドーは、かつての悍ましき事件を記憶から呼び起こした。
「……デビルガンダム!?」
カミーユが叫ぶ。開花した蕾から表れたそのガンダムの瞳は彼らを睨みつけると、自分を覆っていた四枚の蕾を一斉に本体からビット、ファンネルのように分離させた。
移動放題のように分離した蕾は、それぞれ粘土状に変異して、MS状の形をかたどりだした。その姿と、戦闘姿勢はまさにモビルファイターであった。
「な、なんだ! こいつ等!?」
しかし、擬似のファイターは素早い身のこなしで、その格闘スタイルで次々に生徒たちを苦しめた。
「うわぁ!」
背後から蹴りを受けるゼータガンダム。
「くっそぉ!!」
隙を見せぬ猛攻に苦しむダブルゼータ。
「俺たちの攻撃が通用しないのかよ!?」
「手も足も出せない……!」
牽制の逆転に該と隼人はそれぞれのMSが大破寸前であった。
『みんな! しっかりして!?』
ファの通信が届くも、彼女の声は誰にも届いてはいない。
『一時撤退を……!』
しかし、リィナの決断は遅すぎた。
「これ……まずいんじゃない!?」
エルのマークUも右肩を負傷している。
「相当まずいわね……!」
背のウィングを?ぎ取られたゼータプラスのルーも、浮上状態が困難になる。
「このぉ……負けて、たまるかぁ!!」
一夏は、ユニコーンの装甲を展開させ、デストロイドモードへ変形すると、両手にビームサーベルを引き抜き、擬似ファイターの猛攻を突破し、切り裂き、蹴散らしながら一直線に本体へ突っ込んでいく。
「本体さえ叩けば……!」
ユニコーンのビームサーベルが一直線に本体のデビルガンダムへ襲い掛かるも、そのサーベルの先は本体にまで届くまでとは及ばず、本体は花弁を即座に帰還させると、再び蕾に戻り、サーベルの刃が花弁にとの間に挟まって動けなくなった。
「くそぉ! あと少しなのに……」
そして、デビルガンダムことデビルガンダムの幼少体「デビルガンダムJr」はボディーから巨大なエネルギーを放出させた。
*
「ここは……?」
気づけば、見覚えのある公園の一角だった。小さいころ、よくアムロと一緒に遊んだ思い出で印象の強い場所だった。今ではそこはもう壊されて駐車場になっている。
「あの時の公園?」
「う、うぅ……」
「……?」
どこからか、子供の鳴き声が聞こえた。いたいけな少年の鳴き声である。その声の方へ、少年の元へ歩み寄る明沙であるが、その足はふと立ち止まった。目の前でうずくまって泣いている少年、それは紛れもなく彼女の幼馴染であった。
「アムロ……?」
「……どうして?」
「……?」
「どうして……みんな、僕をいじめるの?」
「……」
少年は、ただ
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